総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
前回の続き。
◼︎指揮官決め
いきなりの指揮官指定にさらに混乱の波が広がる。
いささか強引なやり方だとは理解していたが、まぁたまにはノリと勢いも重要だ。
反王親衛隊の過去の要塞戦の動画はしっかりと保存してある。
その中でも指揮官の声が入っている動画を共有した。
これを見て何となくイメージを掴んで欲しい、と伝える。
ちなみに、我が軍では厳密に言うと声出し=指揮官という訳ではない。
声出しには以下の分類で区切っている。
・総指揮:全体統括、基本的に絶対命令、我が軍では我が担当。
・指揮官:部隊単位(パーティの集合体)を命令して動かす。我は総指揮兼盟主パーティの指揮官ということになる。
・サブ指揮官:指揮官率いる部隊の中で、指揮官とは違うパーティにいる者。指揮官が落とされた時の代理指揮、及び分離して別働隊として動く際の指揮を担う。
・伝令:命令は一切下さないが、状況の報告を行う者。
大まかこの分類である。
まぁ流石に半年以上一緒にやってきた甲のメンバーについては「言わずもがな」的な慣れがあるため、明確に自分の役割を分かっているから楽だ。
だが今回はそうはいかぬ。
乙の者たちと冗談混じりに話しながら、コミュニケーションを取っていく。
意外と声質とかも重要だったりする。
正直、まだキャラと声も一致しない状況だが、乙の全体の雰囲気が「不安」よりも「楽しみ」という感じになっていたのが幸いか。
こういう状況も楽しむ、それがいいのだ。
さて、初陣を飾る相手は獅子の泉血盟だ。
血盟レベルは13、人数及び血盟戦闘力は若干我が軍が上だが、当然これしきの差はどうにでもなるレベル。
油断大敵である。
相手血盟の代表とは、フレヤサーバー統合すぐに連絡が来て、ブログを見てくれている者であることは知っていた。
そして要塞戦前、相手から連絡がくる。
本当に気持ちのいい、清々しい気持ちで戦うことの出来る相手だ。
そして相手も初陣、これは負けるわけにはいかないと更に闘志を燃やす。
さて、まずは相手と新鋭隊との戦力を比較する。
戦闘力でいけば相手の上位層が我が軍よりも分厚いのは明らか。
だが我を含めた中位層〜下位層については我が軍の方が上だ。
勿論全員が青背景などであるわけないため多少の前後はするが、ある程度の目安にはなる。
これを更にクラス別にソートしてみる。
相手の構成は非常にバランスが良い。
特にスペルシンガーが新鋭隊にはいないという状況で相手は3。
こちらの強みは前衛の厚みと弓職の多さ。
ちなみに反王親衛隊では過去弓職が多かったことがない。
他血盟と当たると大体弓職というのは多いはずなのだが。
弓隊の運用はあまり経験がなかったが、まぁここはいつもの反王親衛隊の構成に沿ってやるしかない。
ちなみに反王親衛隊は今ではスペルシンガーが6名揃っており、戦いにおいてこのスペルシンガーが鍵になっていた。
Lutz戦もスペルシンガーがうまくハマって勝てたといっても過言ではないくらい。
パーティバフも偏る可能性大だが、そこは連携と役割でカバーだ。
あとは我が軍の最大の強みであるアクティブ率、これを上手く利用せねば。
◼︎要塞戦へ
要塞戦当日、20時30分。
血盟レベルが13にもう少しで上がってクルマコアイージーが解放されるため、先に血盟ダンジョンをクリアし、クルマコアイージーを解放。
そしてパーティ編成を始める。
パーティ編成は凡そ以下の通り。
・盟主部隊
→指揮官:ケンラウヘル
→サブ指揮官:たこしー
・攻撃部隊
→指揮官:井伊直政
→サブ指揮官:もく
・防衛部隊
→指揮官:さかなん
→サブ指揮官:natsu、_MAH_
・カット部隊
→指揮官:megrock
凡そこんな感じで配置した。
21時、血盟強化効果を使用、ソウルショットや装備、スキル設定、ポーションとポーション設定のチェック。
21時25分、晩餐開始。
そしていざ決戦の地、西武警戒所の要塞へ。
いつもと違うメンバー、見慣れない名前が画面内を縦横無尽に動いている。
皆の大体の戦闘力は頭に入れておいたはずなのだが、まだ我でも慣れていない。
反王親衛隊のメンバーであれば、流石に半年以上一緒にいる仲、名前をぱっと見ただけで戦闘力なども凡そわかるものだが、まだ瞬間では分からないのが事実だ。
ただ
移管先を間違えてしまったという巨大なインパクトを残した彼女を除いては。
絶対に強くして楽しませてやるから、その過程も楽しもう。
不安はあれど、その不安を見せては波紋が広がる。
こういう時は自身満々な姿を見せる事が、この軍で唯一我が出来るパッシブスキル。
要塞戦のカウントが始まる。
ケンラウヘル「この初陣、必ず取るぞ。そして何より、全員楽しめ、以上」
反王新鋭隊、初陣の火蓋が切って落とされる。
開始直後、相手の主力部隊が自軍西門へ一直線へ雪崩れ込んで来る。
こちらも人を揃えたつもりであったが、この衝突での戦闘力は相手の方が格上、見るも無残に散っていった。
そして…
復活バグが発生。
後で発覚したのだが、大規模なラグ?が発生したとのこと。
しかも後々「要塞戦復活チケットが枯渇するのが早すぎる」とは思っていたのだが、どうやら連打した分だけ消費していたとのこと。
まぁその時の我は怒りよりも、皆の心配であった。
ケンラウヘル「皆、プレイは普通にできているか?」
natsu「復活できないですね」
井伊直政「復活できないので再起動します!攻撃部隊はそのまま攻撃続行を」
さかなん「相手も倒れたまんまで動かない人多いです」
我の個人環境の問題ではなかったようだ。
こうなれば相手も同じ条件、グダグダ文句を言うよりもこの状況を乗り切ることを第一優先に。
ケンラウヘル「リスポンができない故、とにかく相手盟主がいたら殺して時間を稼げ」
その間にもひたすら再起動し続け1分か2分、ようやく安定してプレイができる環境に。
状況を確認すると、敵東門は突破が完了、バフも両バフ取っている状況。
これは勝機と見て攻撃部隊と共に相手聖物へ移動。
刻印時間でのアドバンテージとプレッシャーはかなり大きい。
先手必勝だ。
刻印に向かうものの、1秒足らずで相手防衛隊に踏み潰される。
これではアドバンテージにはならぬ。
正直ここで決めてしまいたい気持ちではあったが功を焦った。
ここからが厳しい戦いであった。
主力戦闘力で負けている分、全体を通してどうしても押され気味の展開になっていく。
カット隊も非常に頑張ってくれたが力及ばず、そして手薄であった自軍バフも確保される。
長引けば長引くほど不利になるのは時間の問題だった。
しかし守ってばかりではこの状況は変えられぬ。
ケンラウヘル「盟主パーティは現在よりさかなん指揮の元防衛へ。我は攻撃部隊と共に攻め続ける」
とにかく攻めを忘れてはならぬ。
相手が自軍西門に勢力を割いているのを見計らってカウンターで対抗する。
しかし相手の防衛隊にも猛者がいて、どうしてもカットされてしまう。
刻んだものの、トータル8.2秒の刻印、アドバンテージというにはまだ心許ない数字だ。
リスポンして自軍東門前で集合、再度攻撃に決めた時、今度は復活とか関係なくラグが発生して操作不能に。
要塞戦の時のバグほどもどかしいものはない。
そしてバグ中に直政の声が飛ぶ。
井伊直政「自軍聖物刻印されてる刻印されてる!」
この時ばかりは焦ったが、遅れて操作可能な状態に。
相手刻印時間を即座に確認する。
刻印時間がみるみる内に増えていく敵軍。
ケンラウヘル「リスポンは全員カットだカット!」
防衛隊がカットして敵盟主の死亡報告がされるものの、刻印時間が謎の加速。
これLRTの決勝でもあっただろうに、頼むから直して欲しいものだ。
200秒を超えたら勝手に直っていたものの、こういうのは本当に勘弁願いたいところだ。
愚痴はこのへんにして続きを。
何度か押し引きがあったものの、徐々に劣勢になる我が軍。
刻印時間も徐々に差をつけられていく。
これ以上の差が開くと厳しいのは必然、多少ゴリ押しで刻印をしに行くことを決断。
ジワジワと差を縮めるものの、その間のバフはやられ放題だった。
しかし、リードを維持された状態で終盤防衛を固められたら手も足も出ないだろう、とにかく今はリードが必要なのだ。
この「刻印時間ルール」の変更は、我としては要塞戦に新たな戦術や動き方を与えてくれて非常に良いアップデートだと感じる。
また、引き分けなしというのも、今まではカット合戦でお互いダイヤを削り合って結局引き分け、というのが結構精神的に来るものがあった。
色々Twitterなどを見ていると賛否両論ではあるが、概ね受け入れられているルールだと思う。
中には「リードして最後防衛固めれば勝ち確じゃねぇか!」と文句を言っている者も見受けられたが、そうならぬように動くのが戦術ではなかろうかと感じる。
戦いはお互いの刻印勝負となってきた。
一進一退とは正にこのこと。
こちらが刻印秒数を抜けば今度は獅子の泉が刻印秒数を上回る。
お互い防御を最低限にした状態での刻印合戦だ。
ケンラウヘル「1パーティ、次のウェーブで攻めに回れ」
ここまで来ると何か打開策が必要だ。
防衛を1パーティ減らし、それを攻めに回して決めにいく作戦を取った。
相手を数で押しのけ、刻印を開始する。
カットされ続けるものの、ヒーラーの絶妙なヒールで生き残り、その場で刻印を繰り返す。
細かく、細かく刻んで行く。
約20秒差、かなりのリードを得たのだが。
防衛隊から敵盟主が侵入してきたとの報告があがる。
現状攻撃に人を割いている状態、ここで決めなくては逆に決められる。
ケンラウヘル「リスポンは敵盟主排除優先」
と言った矢先に始まる相手盟主の刻印。
そして同時にメテオで倒れる我。
敵の刻印は止まらない。
「止めろ止めろ止めろ止めろ!」
「カットカットカットカット!」
VCに指示というよりも叫びに近い声が響き渡る。
リスポン地点に着いた時点で敵の刻印は残り10秒を切っていた。
ただその時はもう時間なんて目に入っていなかった。
ここで負けるわけにはいかない。
走って止める、カットするのだ。
残り7秒。
5秒。
3秒。
ヴェンジェンスカット!
敵刻印を18.5秒でカットに成功。
ケンラウヘル「よっしゃ!!カットしたぞお前ら!!」
「よっしゃー!」
「盟主ナイス!」
思わず感情のまま叫んでしまった。
そのままリスポンから血盟員たちが雪崩れ込み、敵刻印部隊を殲滅。
この時点で残り時間は2分。
差はたった8秒。
だが明確なのは「リードしている」ということ。
即座に総指揮を行う。
ケンラウヘル「総員、自軍聖物を防衛、門防衛ではなく、聖物防衛だ!」
指揮官たちもそれに呼応する。
井伊直政「攻撃部隊は攻撃中断、自軍聖物へ!」
megrock「戻るよー戻るよー!」
さかなん「防衛隊は門ではなく聖物固まってー!」
残り2分。
これが異常に長かった。
当然の如く敵も総戦力を送り込んでくる。
聖物を囲んでの大乱戦。
まるで一つの巨大な線香花火のように弾ける光のエフェクト。
ケンラウヘル「盟主だけは絶対に殺せ!その他はどうでもいい!」
井伊直政「盟主見つけたら西か東かどちらか教えて!」
さかなん「西!敵盟主西の後ろの方いる!」
ケンラウヘル「行け行け行け行け!殺せ殺せ殺せ殺せ!」
指示とは到底呼べない、感情をそのまま口にして叫び続ける。
残り19秒。
意外と人間というのは理性を失っているようで冷静なようで、ここで敵の盟主を倒すことに成功したログをしっかり確認することができた。
ケンラウヘル「よし敵盟主沈んだ!!」
感情のままに叫び続け、勝利を確信する。
反王新鋭隊、発足より約2週間、大接戦を制し、
初陣を白星で飾る。
湧き上がるVCと血盟チャット。
実はこの戦いは甲、つまり反王親衛隊のメンバーも聞き専で同じVCにいたのだ。
同じVCに約80名程INしていたと思うのだが、勝利報告と同時に甲のメンバーもVCに乱入し、初勝利を一緒に祝った。
もうVCは誰が何を喋ってるのかわからないくらい湧いた。
何だろう、反王親衛隊でやっている要塞戦とはまた違う感覚、違う喜びだ。
30分間、皆必死に、真剣に、熱意を持ってこの戦いに挑んだ。
慣れない中模索して、慣れない中指示を聞き。
そして勝利した。
連携もまだまだ。
名前とクラスも一致しない。
指揮官も突然きまったし、声も誰だかすぐには認識できない。
要塞戦に出たことがない者も多数。
色々とうまくいかないこともあった、いつもだったら絶対出来たことが出来なかった。
戦術もかなり的外れ、バフ管理も終盤は2バフ維持されている状態。
甲だったら、いつものメンバーであれば「これはこうした方が良かったねー」とか、「次はこうしよう」とかの議論に進むのだが。
そんな細かいことより楽しいという感情が勝った。
大接戦、キルでは全くもって負けていたが、本当に熱い試合であった。
この場を借りて、獅子の泉血盟に感謝と敬意を。
また是非挑戦させてもらいたい。
◼︎余韻
相手代表からの連絡が来る。
本当に気持ち良く、お互いの健闘を称え会える中は素晴らしいと思う。
今後ともよろしく頼む。
その後反省会、我のモットーは面倒なことはしないだ。
問題だったと思った箇所はほぼ皆の共通認識、反省の大きな所、根幹は我の戦術とパーティ編成にある。
次回はこうしよう、ああしよう。
議論はそこそこにさっと終わらせた。
そんな事よりも、我は要塞戦の感想を皆に聞きたくて仕方なかった。
皆感想はこんな感じ。
「サーバー移住して良かった」
こんな事言われたら、もっと楽しませたくなるのが我の性格。
少なくとも、彼等にはサーバー移住券2400円分は楽しんで貰わねば気が済まぬ。
そして我は何よりも新しい楽しみ方を見つけられた気がする。
勿論、甲でいつもの気の知れたメンバーとやる事も本当に楽しい、それが楽しみでリネレボをやっているようなものなのだから。
だがここに来てまたリネレボの新たな楽しみを見つけられたのは本当に運がいいといか、単についてきてくれた仲間たちのおかげ。
さて、来週はどうするか。
そして要塞戦も「甲はどうするか」「乙はどうするか」と二重の楽しみになった。
ただ、第二血盟を作るに当たって綻びも出ているのは事実だし、それに拍車をかけるように引退者も数名出た。
今は立て直しの真っ最中だ。
短い期間だが、我から見て「第ニ血盟を作る時のケーススタディ」みたいなのもブログにいつか書こう。
◼︎今日の祖国
ちょっと久々に書いている最中に熱くなってしまった。
要塞戦とブログ更新までの時間が短いから、これだけ熱気が入ってしまったのかもしれない。
長すぎると反動も来る、気をつけなければ…
さて、まぁスクリーンショットを見て一瞬「ん?」となった者もいるかもしれないが。
乙にはこういう名前の者が入ってきた。
その名を「祖国に光を!」という。
我が軍の中では「国光(クニミツ)」というあだ名で通っているのだが。
※何故クニミツというのかについては過去ブログを参照。
ちなみに彼は何を隠そう、移住組でも何でもない。
純粋培養のケンラウヘルサーバー民だ。
何なら我が軍のライバル血盟、Legend血盟の血盟員だった者だ。
フレヤサーバーとなったと同時に名前変更券でこの名前にしたらしいのだが。
「何であんな名前の奴が、捨てキャラじゃなくてちゃんとした血盟員としてLEGENDにいるんだ」
と我が軍では話題騒然になっていた。
そして今回の反王新鋭隊増員の募集を見て我が軍に来ることになった。
まぁそれはいい。
我が軍では絶賛新しく来た者たちが名乗り口上を作っている。
まぁこれが何というか、我が軍のお笑い部長ふじあむの手で魔改造されまくり、我の理想とはどんどん離れていっているのを感じる。
これはまた別途、ブログにでも書こう。
名乗り良い例を見てみよう。
うむ、非常に良い、とてもいい感じだ。
世界観的にはなんというか、リネレボの世界へ来た日本の戦国武将というところか。
非常に良いのだが。
彼の元の名は「ジークフリート」。
説明もなくいきなり名前を変更したまではまだいいが、
我の事を「反王様」から「上様」と呼び始めていることだけは未だに納得がいっていない。
この場で再度伝達する。
決して我が軍のイメージは
こうであってはならない。
まぁそれはさておき、格好いい名乗り口上、これを目指すべきだ。
国光は、まぁ名前はどうかと思うが、非常に反王親衛隊への憧れがあったようだ。
なんやかんや言って純粋で真っ直ぐで非常にいい奴なのだ。
ケンラウヘル「いいか国光、直政のような名乗り口上を作ってくれ」
祖国に光を!「分かりました、ボス!」
流石にこんな名前を付ける奴だ、我のブログも読んでいるし、名前をこれに変えるという勇気と決断は並々ならぬものではない。
つまり、我という人間、そして反王親衛隊という血盟に対して彼の中で確固たる何かがあるのだ。
我の意図を読み取り、さぞ素晴らしい名乗り口上となるだろうと、我は確信していた。
そして少しの沈黙、そしてとうとう名乗り口上の報告が。
祖国に光を!「できましたボス!聞いてください!」
ケンラウヘル「よし、披露してくれ。お前の反王親衛隊愛を見せてやるのだ」
お前の祖国とは一体何なのか。
盟主の苦悩は続く。
以上。