反王だもの。

MMOを中心としたゲーマー、反王ケンラウヘルの手記。

#8【ドラブラ】人数差の征服の地 後編

総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。

 

■征服の地における人数差

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ドラブラの征服の地において人数というのは大きなアドバンテージとなる。

ありがちなのは戦闘力が高い者における無双状態、侵攻を一切止められずしてばったばったとやられるというシチュエーション。

 

だがこのゲームは1つだけ弱者でもワンチャンスというものがある。

 

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刻印カットである。

 

これは当たっても外れても、通常攻撃1つ打てばその刻印をカットできるという点。

どんなに強い相手でも刻印している際は無防備。

倒すことはできないものの、カットすることで刻印させないという状況を作り出すことができる。

 

VVIPは戦力によって人を選んでいる訳でない。

その人数によってなんとか拠点を取らせずに時間を稼ぎ、その間にVVIPのランカーたちが他の拠点を制覇し、そこをカットで繋いでいくという形で勝ってきた。

 

だが現状は人数も過去と比較すると少なくなり、厳しい状況が続く。

 

今回は人数、ランカー共に相手の方が多い状況下での戦いだ。

だがそこでネガティブにならないのがVVIP。

どういう風に戦うか、とにかく戦場1箇所だけでも獲得してやろうという空気が支配している。

 

■後出し

とにかく1戦場は獲得する、そうなるとやるのは戦場選択の後出しである。

 

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戦場が開放されてから1分間の猶予時間。

先行した一人が戦場の中に入り、各戦場の相手の人数を確認する。

 

開始まで残り30秒。

我々に与えられた任務は水戦場への出撃であった。

 

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猶予は一切ない、入った瞬間に持ち場へ移動する。

 

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即座に刻印を開始し、その間に各戦場の人数状況を確認してみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「ケンさん、戦場、どれくらいの人数になってる」

 

VCでの質問に一言で返す。

 

我「人生、知らない方が幸せな事があるというものさ」

 

■ルール変更

こうなると、暗黙の了解でルール変更が適用される。

 

最初のオーダーは1戦場だけでも勝ち取るという話であったが。

 

VVIPのメンバー全員の頭の中に同じワードが浮かび上がる。

 

この戦場、

 

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拠点1箇所でも確保できたら勝ちである、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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初動の確保は非常に順調であった。

この人数差では拠点一つさえ触れることもできない、そう覚悟していたからだ。

画面内に敵影を一切見ることはなく、即座に拠点を確保した。

 

もしかしたら相手の人数はフェイクかもしれぬ。

そう思った矢先、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その幻想は脆くも崩れ去るのであった。

 

相手の人数が多いのも問題だが、もう一つ致命的な問題があった。

 

 今日に限ってVVIPの参加メンバー数が少ないという事実。

 

実際拠点防衛は3名以上がいるのがデフォルトなのだが、今回はまさかの1人防衛状態。

 

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敵のスキルをひたすら回避しながら無敵スキルで応援を要求する。

 

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まるでアパッチの襲撃を受けて一方的に逃げ惑う一般市民のような気分だ。

 

とにかくこの1箇所だけは獲得せねばということで増援も数名来るのだが、

 

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当然の如く、他拠点は一瞬にして真っ赤に染まっていく。

 

そして最終的には、

 

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我の拠点がお祭り会場になる。

幻音のお陰で拠点周りがフェスのようになっているが、とにかく巻き込まれたら瞬殺されるほどの勢いである。

 

■笑いながら

圧倒的に負けている状況、けれどもVCは笑いに包まれている。

普通だったら萎えたりネガティブになったり、そういう負のオーラに包まれてしまいそうになるのが当たり前である。

 

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守り切ったら勝ち!

全員自軍下拠点ね!

相手強すぎて笑うw!

 

こんな会話を繰り広げながら、ばったばったと倒れては起き、倒れては起き。

圧倒的に負けているのにケラケラと笑いながら死に続ける。

そうやって遊ぶというのもオツなものだ。

 

結局負けはしたものの、この拠点だけはしっかりと確保することができた。

 

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画面を見たら完全に制圧されている、いや、むしろ人質に取られているぐらい一方的な見え方だが。

 

我の状況からすると、ランカーになる程の金と時間はなかなかない。

だが、もう少しだけでもあがけるよう、戦闘力強化に勤しむ、そしていつかリベンジを果たしたい、今日この頃だ。

 

以上。

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