総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
今回は我が軍で初めて起こった反王親衛隊血盟解散の危機について書こうと思う。
このブログを見た血盟主や血盟員も、我が軍の反省を活かしてもらえればと思う。
我が軍には「ブレダン四天王」というものが存在する。
まずは我が軍の斬り込み千人長、”フェイク”
我が軍切っての主砲であり、彼を先頭に要塞戦では数々の敵をなぎ倒してきた。
集団戦は当然の事、個人やPT単位での動きも彼の判断力はずば抜けて高い。
反王親衛隊第1部隊不動の隊長である。
そして親衛隊第2部隊隊長、ロシアの暴走特急、”ピロシキ”
その暴れ振りは酷く、ピロシキのキルログは我が軍では既に定時報告扱いになっている。
我が軍へのクレームの約7割が彼絡みであり、我としては非常に頭を悩ませているものの、その戦鬼っぷりは血盟員たちを惹き付け、我が軍の士気に大きく影響する人物である。
そして既に我が軍ではいなくてはならない絶対的な癒し的存在、我が軍の母ともいえよう、”エビチリ”
語尾が必ず「〇〇エビー」という徹底したロールプレイは他血盟の一部に熱狂的なファンがいるくらいだ。
リアル主婦であり、我が軍の育児に関する悩みや相談は当然の事、運動会シーズンでは子供の弁当の献立をレクチャーしてくれる。
重度のオーバーエンチャント(武器防具強化の事)中毒者であり、その時だけは突如奇声を発しながら失敗ログを流す。
家族でガストで夕食をしながら要塞戦に参加して完璧にミッションをこなす程の実力を兼ね備えている。
そして今日のブログで紹介するのは、
我が軍きってのブレダン四天王が一人であり、反王親衛隊第3部隊隊長兼お笑い部門の”土屋”である。
通称「つっちー」の愛称で皆からいじられつつも愛されており、我が軍でも好感度が高い人物だ。
いや。
好感度が高い人物”だった”。
それは何気ない会話の流れから発生した。
当時、我は武器が+16までいっていたものの、そこから欲が出て強化に失敗し続け、+11に落ち込んでしまった。
我からするとリネージュ1のように武器自体が消滅しない分、強化は時間と運の問題だと考えている。
よく萎えるわーとぼやく者もいるが、そんな気にしなくともいいのではなかろうかと思う。
強化数は山の天気のように気まぐれで変わりやすい。
うまくいくこともあらば失敗することだってあるだろう。
勿論、うまくいくことに越したことはないのだが、アデナが足りなくなるのは地味に痛手であった。
またアデナとアイテムを貯め、次はうまくいく事を祈る、それだけの話だ。
強化のログが流れると面白いもので、自然と血盟員も我に続けとばかりに強化を連続して行う。
武器や防具が+20になって歓声が上がったり、逆に何十連続も失敗が続いて皆心配する者もいたりと、軽いお祭り騒ぎになるわけだ。
細かい話の流れは覚えていないが、なぜかその会話の流れで土屋の話が浮上した。
最近武器が+16になった彼を皆がいじり始める。
その流れに我も何気なく参加していた。
そして彼のある一言が、反王親衛隊の亀裂を生んだのだ。
ケンラウヘル:我も武器が+11になってしまってな。中々難しいものだ。
土屋:まぁそんな時もありますよ、ボス。
ケンラウヘル:土屋は順調そうだな。その調子でいくといい。
土屋:任せてください!我はブレダン四天王の1人ですから!
ケンラウヘル:しかし、お笑い班の土屋に負けるのは我のプライドとしても許せぬところがある。我もお前を余裕で倒せる程には精進せねばな。
土屋:いやいやボス。
土屋:
水色戦士には負けないっすよwwwwwwwwwww
水色戦士。
この単語に血盟の空気が変わった。
+12までの武器に纏うオーラは水色だ。
当然+11である我もこの”水色戦士”に当てはまる。
あろうことか、彼は我の事を水色戦士と侮辱したのだ。
しばしの沈黙が血盟を包む。
土屋は基本的にいじられることはあっても人を傷付けない芸風の持ち主だ。
それが何気ない一言で牙を向いたのだ。
武器の色を気にしていないとは言ったものの、潜在意識の中では我も気にしていたのかもしれない。
我の中で何かが切れる音がした。
この後の流れは臨場感を出すため、この音楽を付けながら見ることを勧める。
では音楽を聴きながら続きを見てもらおう。
ケンラウヘル:土屋よ。
随分と気持ちのいい事言ってくれるじゃあないか、ええ?
土屋:いやボス、冗談ですよ冗談wwwwボスに歯向かうだなんてs
ケンラウヘル:
そりゃ盟主が水色戦士だったら恥ずかしいよなぁ、ええ?
土屋:いやほんと冗談です!ごめんなs
ケンラウヘル:
今から祝福パック買って水色戦士卒業できなかったら血盟解散だよなぁ、ええ?
土屋:ほんとすみません。いや本当にやめてください。
ケンラウヘル:今9800円で祝福パックを購入した。では血盟の運命を賭けて強化をしようか。
土屋:本当にやめてください、ごめんなさい。
ケンラウヘル:ささやき…えいしょう…いのり…ねんじろ!
ポチッ
反王親衛隊血盟のケンラウヘルがデュミナスソード14強化に成功しました。
もう少し引っ張るために一度くらい失敗しても良かったのだが、笑いの神は降りて来ずに水色戦士を脱却。
9800円を衝動買いしてしまったとはいえ、要塞戦用の赤ダイヤを補充するためにもともとは課金する予定だったのだ。
ずっと+10と+11の間を行き来していたものの、祝福スクロールの効果もあって+14にすることができた。
しかし、このような「さりげない一言」は血盟内でも顰蹙を買う可能性がある。
顔の見えぬオンラインゲーム、発言や言動は自分の考えとは違う方向に解釈されやすい。
今回は少し我も意地の悪いことをしたが、これで土屋も懲りたであろう。
ケンラウヘル:土屋よ。これに懲りたら相手をいじる際は気を付けることだ。
我は結果が楽しければ特に気にしないが、やはり人の受け取り方というのはあらぬ方向に行く。
人の関係、特にオンラインゲームでの関係など、いとも簡単に崩れるものだ。
我はそういう経験を何百回も経験してきた。
だからこそ、水色戦士という発言が出た場合は、「『盟主が』水色戦士だと恥ずかしい」と自ら発言し、「盟主だけがディスられた」という風に血盟員たちの印象を誘導する。
そうすれば他血盟員たちが変に受け取ることもなく、我だけがターゲットになり、我がトークで流れをコントロールすれば笑いとなり、不平不満は生まないのだ。
こういう会話のコントロールも血盟主の必須スキルと考えている。
土屋の慌て振りも楽しく、我も面白い時間を過ごし、血盟員たちも楽しく過ごせた。
しかし、土屋は生粋のバカであった。
土屋:いやはやボス、これは我が言ったから水色戦士を卒業できたのであって、これは我の手柄でもあると考えられるのでは?www
全く懲りていなかった。
ここまで来るともう救う事は出来ない。
逆に我も火に油、いや、ガソリンを投入することを即座に決定した。
折角我だけにターゲットを絞らせて好感度が下がるのを防いでやったのに、そういう心意気を無駄にするような奴にはお灸を据えてやるしかない。
こういう場合はどうするか、答えは簡単だ。
我が炎上する方向に話を振ればいいのだ。
突然だが我が軍にはサイコパスが多い。
彼らにちょっとでも火を点ければ、ノリノリで火達磨になるであろう。
ケンラウヘル:そうか、盟主のみならず、武器の色が水色だったら恥ずかしいのか。
土屋:いやいや、そんなことは言ってn
ケンラウヘル:水色の武器を持ってる奴は前線に出てくるな、そういう事を言いたいのであろう?
土屋:ボス、ちょっと落ち着いてk
ケンラウヘル:確かにその通りだな、なぁ、シゲル?
シゲルマツザキ:
俺の武器は『水色』なんだが、土屋くんよ…
我が軍きっての軍師であり親衛隊長でありサイコパスであるシゲルマツザキをまず炎上させる。
こやつを怒らせると何をするかわからない。
なんせ未だに14年前のリネージュ1での敵対血盟のメンバーやPK対象の名前や詳細を覚えているくらいだ。
ケンラウヘル:そういえばエビは何色であったか?
エビチリ:
水色エビ…
母でありサイコパスでもあるブレダン四天王エビチリにも火を注ぐ。
やはり皆気にしていないようで気にしているのだ。
ここまで正面から堂々と武器の色をディスられるとすぐに炎上することもわかった。
そうしてそれに続くように続々と集結する反王親衛隊の水色戦士たち。
水色戦士は我が軍には他にもたんまりといるのだ。
こういう時の一致団結感は我でも恐ろしく思う。
土屋に対する非難と誹謗が続々と血盟チャットを埋める。
そして一人、ずっと黙っている奴がいた。
この血盟でずば抜けたサイコパス部隊の最高権力者、クォーラルウィザードの”あんぬ”である。
最初、我が軍に入ってきた時は非常に大人しかった。
女子力も高く、人当たりも優しいザ・女の子オブ女の子であった。
対人戦をしたことがなく、我が軍に入った時も皆の足を引っ張らないかばかりを心配していた。
ところが、初めての模擬戦を切っ掛けとして、人が豹変したのだった。
人を殺した時の快感が忘れられず、今ではサイコパスを通り越してただのハッピートリガーだ。
こやつだけは我であっても絶対に暴走は止められぬ。
最後の仕上げだ。
ケンラウヘル:
あんぬ、そういえば土屋がさっき、
「あんぬさんって赤武器なのにオーラは水色なんですねwwww」
って言ってたぞ。
あんぬ:
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああ土屋あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!
※顔はあまりにも歪んだ表情のためモザイク処理。
こやつさえ暴走してしまえばもう我が軍は誰も手が付けられなくなる。
反王親衛隊、血盟崩壊待ったなしである。
あんぬの怒りはゲーム内には収まらない。
即座にあんぬのツイッターが更新される。
あまりの怒りに自らを水色戦士に改名し始める。
土屋包囲網の完成だ。
ケンラウヘル:
さぁ、この反王親衛隊始まって以来の血盟解散のピンチ、どう切り抜ける土屋!?
シゲルマツザキ:
俺様に喧嘩とはいい度胸じゃないか、ええ、土屋!?
エビチリ:
キェーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
あんぬ:
あ゛あ゛あ゛ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!
ということで、土屋の笑い一切なしの、皆が引くくらいのガチ謝罪を受け、この危機は終結したのであった。
ちょっと土屋には悪いとは思ったが、今後はこういう発言にも気を付けるであろう。
さすがに本気で反省したため、我が課したペナルティは、いかなる事情であっても反王親衛隊からの脱退を禁止する、「血盟禁固30年の刑」に処した。
オンラインゲームというのは一人でプレイしているわけではない。
そして存在するのはただのキャラクターではない。
1人の人間なのだ。
そしてその人間は自分がリアルで会ってきたような種類の人間とは限らない。
自分の発言がどのような受け取られ方をするのか、冗談が冗談で通じない輩もいるのは明白だ。
そういう場面に出くわした場合のフォローも重要になってくる。
これは我の経験上の話だが、「は?」「あ?」などの1文字で返す者、そして全くの無言になってしまう輩に関しては確実にフォローを入れねばならぬ。
そして皆が面白い、楽しいと思う方向に流れを持っていくのだ。
根に持つ者や生理的に嫌悪してしまった者は、必ずや話を拗らせ、まるで誇大広告のように恨みから嘘偽りを話して話を盛る。
※我があんぬに火を点けたように。
そうなる前にフォローできる者たちが集まってこそ、1つの集団、血盟、仲間といえるのではないだろうか。
ということで今回で得た教訓は、
政治と宗教と武器の色は血盟チャットで話すな。
ということだ。
これを皆、留意するといい。
以上。