反王だもの。

MMOを中心としたゲーマー、反王ケンラウヘルの手記。

#9【エターナル】挨拶のススメ

総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。

 

■募集要項

f:id:kenrauheru:20210127114236p:plain

我が軍も徐々に人が増えてきた。


現状24名。

なかなかの精鋭が揃ってきた。

 

ジョブの内訳は以下。

 

ウォーリア:8名

パラディン:5名

メイジ:7名

プリースト:4名

 

なかなかバランスも悪くない。

 

我が軍のコンセプトは簡単だ。

 

『血と笑いで世界を満たす』

 

攻城戦を見据えて軍団を強くし、もっともっと人を入れたい。

ということで、

 

f:id:kenrauheru:20210127121305p:plain

反王親衛隊では新兵を募集している。

■とある会議にて

我が軍のエンブレム会議以降、2回目の反王親衛隊会議が行われた。

主な議題は1つ。

 

日頃の挨拶について、だ。

 

挨拶は現実社会では当たり前のように行われている。

それもそのはずだ、そこから会話が始まるのだから。

 

軍団も同じことが言える。

大抵はログインしたらおはようとか、そういう会話ログを見てから始まるというものだ。

 

f:id:kenrauheru:20210127121826p:plain

では、エターナルにおけるメインコンテンツ、ダンジョンについてはどうだろうか。

一つだけ言うと、このエターナルというのはスタンプが優秀故、コミュニケーションも非常に取りやすいといえよう。

 

f:id:kenrauheru:20210127122251p:plain

エターナルをしている者ならば誰しもがこのスタンプを見ることだろう。

よろしく、という会話は最初の挨拶としてまず問題ない。

むしろこのスタンプなしにダンジョンを始める人間というのは見たことがないレベルである。

これはこれで非常に良い。

 

だが、反王親衛隊はこれで良いのだろうかという疑問に駆られた。

 

何度も言うがこのスタンプで済ませることが悪だというわけでは決してない。

 

我が軍のコンセプト「血と笑いで世界を満たす」という点において、挨拶というのは非常に重要な要素ではなかろうか。

 

f:id:kenrauheru:20210127122734p:plain

会話というのはたびたびキャッチボールと比喩されることがある。

 

では野球に例えてみることにしよう。

 

f:id:kenrauheru:20210127122251p:plain

このよろしくというスタンプは、野球の球種で言うならばチェンジアップみたいなものだ。

 

チェンジアップ、それはすなわち脱力した球種。

勿論戦術的に組み込むことは効果的ではあるが、毎回毎回使っていると機械的になるものだ。

そこに心は存在しない。

 

f:id:kenrauheru:20210127123131p:plain

それはただのバッティングセンターと何ら変わらない。

延々と機械的に球が出てきて、同じコース、同じ速度で飛んでくるだけ。

それを皆がやり始めるとそれは既に挨拶やコミュニケーションではなく、予想ができるただの球。

機械的に出てくるボールを機械的に打ち返すだけの、自律呼吸にも似た無意識な行動となり、相手の心には響かない。

これが何度も何度も繰り返されるわけだ。

もはや最近のよろしくスタンプはバッティングセンターの機械から放たれるボール。

 

いや、もうこれはバッティングセンターですらない。

我から言わせて貰えば、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127123457p:plain

ロボピッチャーだ。

 

繰り返し言うが、何度も何度も同じ皆と同じ事をしていていいのだろうか。

本当にこれで血と笑いに満ちたアステルのエターナルライフを送れるのだろうか。

 

我としてはどうしても、ここをどうにかしたかった。

 

■反王親衛隊の挨拶

そんな悶々とした日々の中、我は反王親衛隊としてどうしても挨拶を作るべきと考えた。

 

ポイントは3つ。

 

まずは自らの名前を言う事。

 

そしてもう1つは、

 

f:id:kenrauheru:20210127124140p:plain

バッターが振り遅れてしまうような豪速球、もしくは

 

f:id:kenrauheru:20210127124241p:plain

バッターが全く打ち返せないような球種。

 

もはやバッターをいかに打ち取るかの議論となり、端からキャッチボールする気は一切消え失せていた。

 

記憶に残る、バッターが打てない魔球の開発。

我が軍ではそれが急務であった。

 

 この会議での結論までの道のりは険しい物だった。

こうしよう、ああしよう。

周りが戦闘力だレアアイテムだ、やれアークロアだのと言っている間にも、大の大人が集まってこの魔球の開発に勤しんでいる。

周りから見ると滑稽であり、意味のない行為と捉えられるかもしれない。

だが我からするとこういうロールプレイこそがMMOの醍醐味だと断言できる。

 

数時間の会議が為されても魔球は出てこなかった。

原点に立ち返る。

何かを生み出す時、人は必ず模倣から入る。

模倣し、アレンジすることで魔球が生まれることもあるのだ。

今回でいえば、有名な名言をアレンジすることで魔球が生まれるのではないか?という結論に到った。

皆、好きな偉人、芸能人、ドラマ、アニメから始まり、様々な名言集を調べて提出させた。

そこから抜粋し、エターナルに当てはめてみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127125239p:plain

半沢直樹の名言はどうだろうか。

いや、これはキャッチー過ぎる。

あまりにも有名な名言というのは時としてただのミーハーに成り下がってしまう。

安易過ぎる魔球というのは案外打たれてしまうものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127125413p:plain

では鬼滅の刃はどうか。

「挨拶の呼吸!」とかいう案も出たが、しかしこれもミーハーで安易だ。

 

何ならこの挨拶で滑った瞬間、呼吸どころか窒息死してしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ではこうなったらエヴァンゲリオンから抜粋するのはどうか。

 

f:id:kenrauheru:20210127130942p:plain

綾波レイのセリフ、まさにパラディンの台詞としては相応しい。

いい魔球だが、致命的な問題が発生した。

万が一、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127131334p:plain

死んでしまった場合のリカバリーが効かない。

 

リカバリー対策として、

 

f:id:kenrauheru:20210127131507p:plain

「笑えば、いいと思うよ」という二段構えで挑もうということも考えたが、既に足を引っ張っている状態が笑えないので却下とした。

 

やはり安易なところでは難しい。

 

■結論

何度も何度も繰り返され、最終的には一つの案に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127125919p:plain

それはガンダムユニコーン。

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127130031p:plain

シャアの再来と呼ばれる、フルフロンタルの名言から抜粋された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127130744p:plain

「我が名はケンラウヘル。我々は、そちらが定義するところのテロリストだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突然の敵対宣言。

 

この言葉に決定した。

非常に素晴らしいこの言葉。

名前を名乗りつつ、不穏な空気を残す、まさに魔球。

実は過去、リネレボでも同じ挨拶を考案したが、これも非常に好評であったので今回は正式な挨拶として使うこととした。

 

 

 

 

 

 

 

 

これを実践してみる。

4名でパーティを組み、ランダムマッチを行う。

当然、全員に定型文を入れておく事を強要しておくのも忘れない。

マッチングし、場面が変わる、そしてすかさず挨拶を行う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127132305p:plain

いきなり漂う不穏な空気。

 

そしてしばらく沈黙の時が流れてゴールまでの間。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127132521p:plain

エターナル史上、初めてスタンプすらもなく沈黙が続く場面に出くわしたのであった。

 

そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127132653p:plain

魔球誕生の瞬間である。

 

バットを振ろうにもそのバットごと圧し折る威力。

 

こうして、我が軍の挨拶は決定した。

 

エターナルを楽しんでる諸君に伝えたい。

スタンプでも全く問題はないが、もっともっと楽しみたいのであれば、システムで用意された物だけではなく、色々と創意工夫をしてみると良い。

ただその定型文を打っているだけでも楽しい気分になり、そして団結力も生まれる。

これはあくまで我なりのMMOの楽しみ方の一環だ。

様々な軍団が、様々な名乗り口上をする事を期待している。

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が名はケンラウヘル。我々は、そちらが定義するところのテロリストである。」

 

 

 

 

 

 

 

魔球誕生の代償として、会話のキャッチボールが死んだ瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■今日のテロリスト

我が軍では挨拶はギルドメンバーが一緒にいる時だけやればいいというものではない。

常日頃からやらねばならぬ。

 

野良の時でも必ず挨拶をするよう徹底させている。

 

当然、我自身もやらなくてはならない。

いや、やらなくてはならないという表現はおかしい。

まるで強制されているかのようだ。

挨拶は人間の基本だ。

 

という事で、昨日はスライム狩り放置PTに野良で入ることにした。

 

当然のように野良のPTメンバーからはよろしくのスタンプ。

そして我はPTチャットでこう伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127130744p:plain

当たり前の挨拶だ。

 

そして放置設定し、10分後に画面の前に戻ってくると広がっていたのは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127133940p:plain

多数のスライムに群がる人たちと、ソロでたたずむ我の姿であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

我はそこで気付く。

 

我々が苦悩の上に開発したのは魔球ではなく、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:kenrauheru:20210127134149p:plain

ただの危険球であったという事実を。

 

プロパラディンの道のりは、険しい。

 

以上。

反王親衛隊・新鋭隊の掟については<こちら>を参照の事。

プライバシーポリシーについては<こちら>を参照の事。