総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
■モバイルロワイヤル
スマホでプレイできるストラテジーゲーム
モバイルロワイヤル
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ダウンロードはこちらから、特典アイテムあり。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
生放送もしたりしているのでこちらも是非。
■最近のモバロワ王国15事情
王国15ではオロナイン率いるHOA勢力が偉業を達成した。
首都、全要塞を落とし切るという、王国15始まって以来の快挙。
あの驚異の戦闘力を誇るCATF軍団を抑え切っての勝利。
前回の要塞戦は深夜2時からというのにも関わらず、これだけのことをやってのけるHOAには頭が下がる思いだ。
正直、AKIGでは歯が立たない事の方が多すぎる。
一部の者はまだ戦える余地はあるものの、如何せん上位層が凄すぎる。
AKIGのギルド戦闘力は合わせて17億。
これはチーム員約100名での合算の数字だ。
これが王国上位の個人ランキングを見てみると
個人で10億超えてるやばい輩もいるわけで。
ちなみにこれは王国15の最強プレイヤーだが、これが更に世界ランキングになると
もう集中線も付けたくないくらい遠い存在となる。
16億って何なんだ。
ここまで来るとリアル三國無双の世界。
完全に彼らは呂布であり、
我々は黄色い布を頭に巻いた集団に過ぎない。
これが現実。
■チーム合併
このゲームはグローバルでゲームが展開されているのは周知の事実。
アメリカ人もいれば中国、韓国、ロシア、フランスと国際色豊かなメンバーたちが揃っている。
もちろんその中には日本人が存在する。
王国15にはAKIG、HOA以外にも勿論いるのだ。
我はギルドの紹介文に日本語が書いてあると積極的に声をかけるようにしている。
日本人で固まりたい、というよりも、コミュニケーションが取れる方が連携が取りやすいという考えの元での行動だ。
その中で、モバロワ開始初期からいるギルドがあった。
ギルド名はNYAN。
右も左もわからない時に、ギルドランキングをふと覗いてみると日本語で紹介文が書かれていたため、思わずこちらがメッセージを送ったのが始まりだ。
特に何か一緒にした、とかいうわけでもないが、お互い攻撃はなし、という条約を結んでいた。
モバロワ開始から約1.5ヶ月が経過した今、ギルドもだいぶ変化が訪れている。
このゲームは一定期間ログインがないと自動で追放される仕組みになっている。
初期の初期こそあっという間にギルドの定員である150名までいったものの、何やかんやで今は100名程度に落ち着いた。
その中でふとNYANを覗いてみたところ、お世辞にも「活発に動いているギルド」という感じはしなかった。
引き抜き的なものはあまりしないようにしている我だが、これじゃあ楽しめるものもたのしめないだろうと勇気を出して誘ってみたところ、快諾して参加してくれた。
こういう繋がりというのもまたオンラインゲームの一興である。
チームにいる軍師的な存在、そして知識量豊富なYoutubeリスナーからはずっと「外交が重要」という風に言われており、水面下で色々動いていたのだが、その地道な活動が実ったというものだ。
流石にHOAクラスになることは到底無理だが、現在王国15でのギルドランキングは9位。
実際に遊ぶにはもってこいの位置についていると言えよう。
■外交
よく皆から「外交どう?」「外交やってる?」と言われる事が多々あった。
我は今回のNYAN以外にも様々な外交を行なっている。
例えそれが日本人以外でも、翻訳機能を駆使して裏で様々なところと話したり調整したりしているのだ。
このゲームには基本「平和」という概念は存在しない。
いや、存在しないといえば嘘になるのだが、平和過ぎてもゲームとして楽しめない。
全く人の城へ戦いを挑まないという人もいると思うのだが、それはまるで
災害が多発するシムシティとでもいうだろうか。
ある程度は戦いは致し方なし、やるときもあればやられるときもある。
外交によって同盟ないしNAP(不可侵)を結んだりするのもありなのだが、あまりにもやり過ぎるとどこにも攻められず、何のためにこのゲームをやっているか見失う。
ただあまりにも好き勝手やり過ぎると包囲網を敷かれて詰むことも考えられる。
ここら辺のバランスや周りの空気を読んだり、そして仲間に共有することも重要なギルドマスターの一つの仕事と言えよう。
さて、そんな中でひたすら「外交」「外交」と言われ続けている我。
そんなことは重々承知でわかっていると思っていたのだが、ある日、ちょっとした事が起きた。
育成も後半にかかってくると、建築・研究などには特別な「アイテム」が必要になってくる。
そのアイテムが非常に厄介で、全く貯まらないのだ。
だがチームメイトがガンガン育成している中で、我がペースを落とす訳にはいかない。
自分のペースが一番とはいえ、このままだと全く前が見えない。
そのアイテムを購入するには「クリスタル(ゲーム内課金アイテム)」が必要になってくる。
周りがサクサクと進んでいく中、我はその「アイテム」がボトルネックになってしまっていた。
しかし、その中で皆なけなしのクリスタルを使ってアイテムを補充してクリアしているのだ。
我はいつものように、クリスタルを消費しながら育成を始めた。
「この時点の育成でアイテムを購入するのにクリスタルを使っていたら、もっと上の人たちは一体いくら使っているんだろうなこれ」
アイテムを購入するのにも課金アイテム、そしてその育成のために時短の課金アイテム、まるで多重債務のようなシステムに対し、ポロリとチャットで愚痴ってしまった。
するとこのようにチームメイトから連絡がくる。
「は?ケンさん、外交レベルいくつ?」
外交レベル。
こいつは突然何を言っているのか。
今はアイテムの取得方法について話していたのに、外交に何の関係があるのか。
我も我なりにやっているが、どいつもこいつも外交しているか外交しているかと我に問い、挙げ句の果てにレベルという概念で外交尺度を示せと言ってくるとは思わなかった。
さらに追い打ちをかけてくるように彼はチャットでこう書く。
「外交足りないんじゃないの?」
基本的にはゲームで苛つきはしない方だが、正直その時は気分を害した。
さっと流すために、我はこう答えた。
「外交は裏でやっている、お前が気にする事じゃない」
その時の会話はそれで終了した。
■驚愕の事実
ある日の生放送にて。
その時間はちょうど「チャレンジクエスト」なるものが発生していた。
一時間以内に建築・研究などの育成したポイントによって報酬をもらえるというものだ。
建築や研究は後半になればなるほど時間がかかる。
場合によっては70日必要とかもあるのだが、そこはしっかりと育成していれば20日などに短縮される。
ただあくまで短縮であり、そこからかかる時間をクエスト中に「時短アイテム」を消費してこなしていくのだ。
これが後半になると結構大変だ。
チャレンジクエストのクリア報酬は非常に大きい。
ここでしか今の所手に入らないヒーローなどが存在し、これが手に入る時こそ溜めていた時短アイテムを消費する機会なのである。
ここでもネックになったのが例の「アイテム」だ。
しかし、とにかくクリアせねばこのヒーローは手に入れる事ができない。
目的がヒーローである以上、クリアせねばならない。
我は何の躊躇もなくそのアイテムをクリスタルで購入した。
するとコメント欄に突然チャットが流れ始める。
「あ」
「あ」
「ストップ」
単語で耳に飛び込んでくる無数の音声。
何をやらかしたか分からず、指がピタリと止まる。
「ケンさん、外交は?」
まただ。
またここでも外交の話か。
このゲームにはアイテムの交換などは一切ない。
むしろ大抵の人よりは外交をしているのでそういったアイテム交換というものもないのは知っている。
「何を言ってるんだ?」と言いそうになった瞬間。
「ケンさん、外交でそのアイテム手に入るよ」
目を疑う、どういう事だかさっぱり分からない。
色々と教えてもらう我。
すったもんだあったのだが、簡潔に要点だけまとめる。
簡単に言うと、
ゲーム内に「外交」というコンテンツが存在することが発覚。
外交とは、ゲーム内に存在する町に資材を送ることで、先ほどまでクリスタルでしか手に入らないと思っていた「アイテム」を獲得することができるシステム。
考えずにやっていた我も悪いのだが、なぜ我がこれに気付かなかったというと、「外交」という名前ではなく、脳内で
宅急便と変換していたからである。
生放送で恥を晒してしまい、笑い者にされる我。
「課金でこのアイテムを購入してた人がいるなんて信じられない」「外交ってそっちかよwww」という声に押し潰されそうになる我。
だが、そんな中で唯一、我と同じことをしている人がいた。
生放送を見にきていた、この人である。
思い込み、ダメ、絶対。
■今日の平和
殺伐とした殺し合いの世界。
その中でも最近、我の周辺で起きている異常事態がある。
朝起きるといつも
周りを集落に囲まれている事象が発生中。
この集落というのはプレイヤーが占領できるマップであり、これを占領している間バフ(資源の溜まり具合やモンスターに与えるダメージにボーナスなど)が付くというものだ。
この集落の面白いところは、自身の城をテレポートさせるように
集落を好きなところにテレポートさせるアイテムが存在する。
それを使って皆我の周りに集落を寄せてくるのだ。
これがリアルタイムに飛んでくると、テレポート音、「ヒュンッ」という風切り音がするのだ。
これは他の人がテレポートしてきたときにも同じ音、つまりは
敵が攻めてくるのと同じ音なのだ。
この音が耳に入るたびに、条件反射で神経がピリッとする。
これを皆が面白半分で連打してくるのだが、これをされた結果、ひっそりと人里離れた田舎で育成に勤しもうとしていたのだが、急な都市開発によって風景がガラリと変わってしまった。
そしてギルドメンバーの一人が突然こんなことを言い始める。
これに名前を付けるならば。
どうやらリネレボの生放送でオロナインの周りをグルグル回ることを「オロナインハリケーン」と呼んでいたらしく、そのような「あだ名」を付けたい、という流れを望んでいたらしい。
考える事数秒。
今後この事象を、王家の墓と呼ぶこととす。
せいぜい墓荒らしが来ないことを祈るばかりだ。
以上。