総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
前回の続き。
会場の様子
会場内は非常に混雑していた。
店内は木目色と黒をベースとした落ち着いた雰囲気の店だ。
この写真だと中央スペースに机と椅子が並んでいるが、これを全てどけてほとんど立食状態となっている。
そこに鮨詰めで人が跪いていたわけで。
とにかくもう人の多さたるや。
小さなリュックでも背負っていようものなら邪魔になること間違いない、そういった感じだ。
PANCH「反王様、どうぞこちらへ!」
と案内されるがままに付いていく我。
こんな状態で座れる所なんてないだろうと思ったのだが、案内された場所は
ステージが一望できるVIP席。
この人の群れの中、そこだけ誰も座らずに空いている、明らかに異質な空間。
円形のソファーのど真ん中に座らされる我。
群がる人と集まる人の目線。
完全に見世物である。
後から聞いたのだが、この場所は通称反王ブースと名付けられていたようだ。
前から後ろからと声をかけ続けられる我。
飲み物を頼む暇もない。
ここでもファンミーティングの時と同じく「ステッカーください」の嵐。
何なら行列までできている。
今日の為に我はステッカーを多めに発注していた。
大量にステッカーの詰まったケースを取り出し、修正液を用意し、狂ったようにサインを書き始める。
このステッカー&サインの行列が熱気を帯びた会場の反王ブースだけをピンポイントで熱くする。
前からも後ろからも横からも、ステッカーください、サイン描いてと。
ちょっと人数が多くてコントロールできない、並ぶ列は多少暴徒化していた。
そんな中、PANCHに連れられ、反王ブースに来た者が2名。
「ここに座ってください」とPANCHから連れられて来た人物は、
まさかのS嶋とOooda。
状況を整理すると、正面向いて左から、
Oooda、ケンラウヘル、S嶋
という、公式人物両名に挟まれた流浪のブロガーがいるこの違和感たるや。
この公式人物の登場により更に人集りができる。
特にS嶋の女性人気は凄いものだった。
S嶋「いや、反王様、すみません、同じ席なんかに私が」
Oooda「光栄です」
どう考えても逆の立場だと思いつつも、「全くもって問題ない」とサインを描きながら対応する我。
ちなみに、我はどうしても彼らにステッカーをメッセージ付きで渡したかったのを思い出した。
恐らく乾杯などが始まったらなかなかチャンスはないだろう。
ステッカーのサイン会を一時中断し、我はS嶋とOoodaにステッカーでメッセージを描いた物を渡した。
場が混乱し過ぎて写真を撮り損ねたのが悔やまれるが、
S嶋には「Mr.リネレボ」、
Ooodaには「No Oooda, No Lineage」というメッセージを描いて渡した。
二人とも喜んでくれたようで何よりだ。
我が軍が初めてステッカーを作ったのは2017年の末かそこらへん。
普通はMMOなどのオフ会では「自作の名刺」を作って渡したりするのが普通だ。
だがそこはスマホやタブレットのゲーム、名刺よりもステッカーの方が貼ったりできて面白いんじゃないか?という理由から作ったこのステッカー。
Twitterなどで様々な血盟がステッカーを作っているのを見ると、色々と感慨深いものがある。
オープニング
19時30分頃。
スピーカーから饒舌なPANCHの声が響く中、突如会場内が暗くなった。
ステージのスクリーンに映し出される映像。
まさかのファンミ後オフ会のオープニングムービーが流れ始めたのだ。
流石PANCHだと思った。
たかがオフ会と侮るなかれ、このしっかりと練られた構成と準備に脱帽しかない。
後から知ったが、これはリリイが作ったオープニングムービーとのこと。
出だしはあのLRT SEASON2の決勝戦のムービーから始まった。
おお、というざわつきが会場を覆う。
スピーカーからS嶋と百花繚乱の「決まったー!」という絶叫が響く。
と同時に画面が切り替わっていく。
会場でのルールが面白おかしく紹介されていく。
本当にこれはオフ会なのか?というクオリティ。
全員が全員、画面に首ったけである。
ファンミーティングは公式だけあって色々と手が込んでいるが、もはや個人主催のオフ会の域を超えていた。
と感動していたら。
突然消える画面。
一瞬の静寂。
そして先程までのクールな感じから、オーケストラのような壮大な音楽が流れ、同時に画面に現れたものは、
やりやがった。
壮大な音楽と格好いい炎のエフェクトも相まって、やたら格好いい。
会場がそこで爆笑と拍手の渦へ。
殴りたい。
あの時勢いだけで書いていた我の鼻をへし折りたい。
ちなみにこの動画はこちらにて見ることができるので、是非見て欲しい。
本日の大規模オフ会のオープニング動画
— リリイ・シュシュ (@riri_syusyu_r2l) January 13, 2019
パンチさんから許可頂いたので、期間限定で!#リネレボ#ファンミ後オフ会#反王様ごめんなさい pic.twitter.com/CSohgsAjCo
ちなみに確信犯であったが。
この日一番の大笑いであり、皆笑顔になったので良しとす。
乾杯
オープニングムービーが終わり、祭りの開催の合図たる「乾杯」がそろそろ始まる頃合いだと思っていた。
我は事前にPANCHから「乾杯の挨拶」を頼まれていた。
しかし、この人数の前で乾杯というのはかなりハードルが高い。
のだが、ここはもう場慣れした我。
「では、乾杯の挨拶を、反王様、お願いします!」という声と共にステージ正面へ立つ我。
普通の者であればここで躊躇するだろう。
目の前には200人の羨望の眼差し、グラスを持って合図を待っている状態。
怖気ずくのが当たり前だ。
だが、我はこの時、一切怖気づくことはなかった。
2018年。
何回乾杯の挨拶をした事だろうか。
乾杯の挨拶に恥も何も感じなくなっている身体。
もはや1年間に渡り特殊な訓練を受け続けたこの鋼の心には微塵も緊張はなかった。
ここはビシっと決めてやろう。
ケンラウヘル「総員、我が名はケンラウヘル、すなわち反王である」
拍手と歓声が渦巻く。
ケンラウヘル「ファンミーティングは終わったが、今まさにここから『真のファンミーティング』が行われる、今宵は思う存分、楽しもう」
グラスを掲げる。
ケンラウヘル「その血に誇りを」
「「「「祖国に光をー!」」」」
200人規模の勝鬨は、士気が爆発したかのような、まるで強敵相手の要塞戦に逆転勝利を決めた時を彷彿とさせる強さを感じた。
そして至る所で響き渡るグラス同士がぶつかり合う甲高いガラス音たち。
こうしてファンミ後オフの饗宴は火蓋を切ったのであった。
会場の様子
このオフ会では本当に多くの者たちに声をかけてもらった。
ステッカーも山ほどサインをして、腱鞘炎になるかと思うくらい。
修正液は完全に一本空になってしまったほどだ。
こういうオフ会で好きなのは、Twitterやゲーム内で会話している者同士が初めて顔を合わせて話すときのワクワク感だ。
至る所で「あ!〇〇さんですか?△△です!」「まじで!うわー!この前はありがとねー!」とか、そういう声が上がっている。
オンラインゲームの全てはオフに通ずる
オンラインゲームの最終コンテンツは人
目の前で連鎖して人々が笑いあっている。
傍目から見ているだけでも楽しそうであり、何より我もそれを見て楽しくなってくる。
周りを見ると、男女比率は7:3くらいか。
女性ゲーマーというのは昔は珍しいものであったが、携帯ゲームということもあって然程違和感はなかった。
男性の年齢層は結構幅広かったのだが、女性層は若い女性が非常に多い。
そして「こんな人もゲームやるのか」というくらい、綺麗な女性が多かったのが印象的であった。
サインもある程度片付き、我は反王軍が固まっている場所へ向かった。
ステージ横の、壁際に沿ったテーブルに陣取っている反王軍を見つける。
「ちょっとここで休憩させてくれ、このままだと腱鞘炎になってしまう」と席に割り込んで座る我。
反王軍のメンバーは一緒に入ったMシャドウズ、おかゆ元帥、タケノコ、はるちゃんまん以外には、
ジョー寺8代目
ゆずまる
クリススミス
カンロ飴
といういつものメンバーに加え、初めて合うぽんたろがいた。
我が軍自慢のイラストレーターだ。
ぽんたろとサブドワーズ🐧 pic.twitter.com/gUFc6D8zS3
— ぽんたろ(4さい)🐣反王新鋭隊 (@pontarooooo3310) January 22, 2019
最近ではこのようなイラストを描いていたりして、我としては彼女が楽しそうにイラストを描いているだけでも満足している。
彼女は我が軍に来る前、既にモチベーションが下がり、リネレボを引退しようとしていたとのことだ。
知り合い伝いに我が軍へ入り、今では我が軍のコミュニティの中心ともなっている。
偶然我が軍に入り、そしてそのまま巡り巡ってオフ会に来たのだ。
「お前がぽんたろか!我がケンラウヘルだ」とテンション高めに握手を求めるも、若干我の勢いに圧されて引いているぽんたろ。
「ちょっとケンちゃん、プレッシャー与えないで!」「圧が凄い、圧が!」「ぽんたろ引いてるでしょ!下がって!ハウス!」という、反王女子会メンバーたちから非難される我。
それにツッコミを入れる我。
その様子を見てビールを片手にケタケタと笑うMシャドウズ。
楽しい宴だなとしみじみ感じた。
神々たち
反王軍の仲間と話している最中も、我にステッカーが欲しいという者が続出していた。
声をかけられ、サインを描き、再び声をかけられ。
昔から我を知っている反王軍メンバーからすると、違和感ある光景で、思わず笑ってしまうだろう。
「流石反王様、大人気じゃーん。芸能人みたい」とニヤニヤしながら笑うジョー寺。
ちなみにこのジョー寺8代目は我のリアル知り合いだ。
思えばもう8年くらいの付き合いになるのだろうか。
昔からの付き合い故、尚更我が「サイン」をしているのが滑稽に思えるのだろう。
「あのな、我は別に芸能人気取りとかじゃなくてだな、これで楽しんで貰えればと思ってだな」
「ほらほら、待たせてるよ、可愛い子」と顎で我の後方にある列を指す。
今度からサインを描くのは反王軍、特に昔の我をよく知っている人物がいないところでやろうと心に決めた。
ステッカー渡しがひと段落終わり、今のうちに喫煙所へ行って休憩しようと思った。
だが、喫煙所へ行く最中で3回止められ、喫煙所でも会話攻めに会うと行った感じで全く休まらない。
ヘトヘトになりながらも休憩スペースを店内で探すと、ステージ周辺に比べ、後部座席は落ち着いていた。
そこにいたのはいつもの神々メンバー。
LRT SEASON2の優勝者Mizuchin、ヒンデミットの神JUNKとちゅば、AvengersのJoe等。
「反王様、流石っすね!大人気」とJUNKとちゅばに揶揄われながらも会話をしていると、
「反王様じゃーん!!!ウィース!!!」
と後方から聞き慣れた声が響く。
我はこの声をよく知っている。
彼の名前は闘神ペーちゃん。
本当にお酒が好きで、我のイメージでは闘神というよりも酒神といった所か。
ちなみに我は過去3回ほど彼に酒で潰されている。
一番凄かったのは、忘れもしないギルガメッシュ(ツクヨミ)の誕生日会の時。
酒を一切飲まぬ我に対し、シャンパンを瓶で持ってきて「飲もうよ!反王様!」と言って飲まされた時があるのだが。
その時の記憶はそこで止まっており、気が付いたら我のマンションの共用部で倒れているのを警備員に発見されたという事があった。
後ろを振り返ると、やはり右手には酒の瓶を持っている。
しかし、本当に無邪気なその笑みは子供のようで、瞳をキラキラ輝かせて我を見ている。
まるで
新しい玩具を見つけた子供のよう。
このままだとイメージが着いてしまうので、彼についてはもう一つだけ書いておきたい。
彼は本当にゲームが好きなのだ。
以前、PANCH邸にて一緒に飲んだ事があるのだが、「ちょっと生放送してくるー!」とMirrativで生放送を始めた時の楽しそうな彼の笑顔たるや。
鼻歌混じりで、ちょっと毒っ気も強い口調なのだが、小さい画面に向かって「お!◯◯さん、おいっすー!」「今日はね、PANCH邸から生放送だよ!」「反王様!反王様も何か喋ってよ!」という感じで、いつの間にかそのパワーと楽しさに惹きこまれる。
リネレボにおいては彼は周知の通り、戦闘力もトップ10に入っていたりするものの、今は無課金とか関係なく、楽しむための血盟を運営していたりもする。
ぼくのサブまぁる、が盟主しとります
— 最強アビスを目指して (@Ippei924tora) January 16, 2019
卍ぺーちゃんず卍
も、絶賛血盟員募集しとります‼️
ここは、リネ始めたい方でも、無課金、微課金の方も、一切関係ありません‼️
そこのあなた‼️お待ちしておりまする#リネレボ pic.twitter.com/tVn3ZvnNPQ
まさに人を惹きつける力、巧みに人を笑顔にさせる話術、リーダーシップというのを我も彼から盗んでいたりする。
とても明快で気持ちの良い人物である。
ちなみにここで暴露するが。
この手記の後半で紹介した、
我がプレゼントしたステッカーをタクシーに貼ったのは、彼である。
名を呼んではいけない神様
闘神ペーちゃんから酒を勧められるも、とにかく酒を飲むことだけは回避した。
「えー!じゃあ後で飲もうよ!後で!」という感じで酒瓶を持ちながら、フラフラと他の場所へ行ってしまった。
我も酒が飲めればもっと楽しいのになと思いつつも、再び安息の地を求めて会場後部の座席をうろうろしていた時だ。
「おっ、反王様」
と普通に声をかけられた。
※ちょっとこれについては手記に書くかどうか迷っていたのだが、あまりにも楽しそうなので、名前を伏せて書くことに決めた。
振り向くとそこには、一人の男性がいた。
皿に乗せたパスタを頬張りながら、左手で我に軽く挨拶をしている。
あまりにこの会場に溶け込んでいたので、一瞬誰か分からなかったのだが。
名前を出してはいけない神が普通に立って飯を食っていた。
我は盛大に吹き出した。
ケンラウヘル「ちょっと・・・何してるんだ!普通に溶け込んでるけども!普通にパスタ食ってるけども!」
???「普通に遊びに来ただけだよー、そういや昨日次元で会ったね」
我は思わず名前を出してしまいそうになったが、それを寸前で止めた。
というのも、彼は正直こんな人混みの中に気軽にいるような人物ではなく、むしろ警備が必要なレベルの人物なのだ。
ケンラウヘル「その時はどうも、じゃなくて、まさかこんな普通にいるだなんて思いもしなかった・・・」
???「大したことじゃないよ、楽しく飲んでるさー」
人混みの中、普通にパスタを食いながら、色々な人と気さくに話す彼。
闘神ペーちゃんにしても彼にしても、やはりゲームについて話している最中は子供よのような目をしながら話している。
我は神々と出会う前、正直、彼らは住む世界の違う人間たちで、我々の事など名前すら覚えてくれようとはしない人たちだろうと、勝手な幻想にとらわれていた。
だが、実際に会った彼らは一人として、いわゆる漫画で出てきそうな「嫌なキャラクター」はおらず、その本質は我々と全く変わらぬ、ただの1ユーザーとしてこのMMOを楽しんでいる人たちばかり。
そして総じて彼らは誰よりも楽しみながらゲームをやっている。
普通だったら、特に我などは話せもしないような、そもそも会えもしないような人物と気兼ねなく話すことができる。
これがMMOの魅力だろう。
この雑多な人混み全員が、たった一つのゲームを通じて集まり、騒ぎ、笑顔になる。
最高の時間ではないか。
最近では再びこういったキャンペーンが行われている。
オフ会というものがどれだけ楽しいのか、どれだけ結束が強くなるのか。
運営も知っているからこそ、このようなキャンペーンをやるのだろう。
まだやった事ない、参加した事ない人には、ぜひ参加して欲しいものである。
それが大規模なのか小規模なのかは関係なく、一度やってみないと分からない世界がそこにあるから。
さて、書きたい事をつらつらと書いていたら、長文になってしまったので、次回で締めたいと思う。
以上。