総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
今回は我が軍の同盟破棄について話したいと思う。
相手血盟の事を思うとあまり気が進まなかったのだが、我が思う所もあり、書き綴る事とした。
過去に我が軍は3日に渡る戦争を繰り広げた事をブログで書いたことがある。
当時ケンラウヘルサーバー第二位の巨大血盟、LEGEND血盟である。
このブログで記載している最後の闘いの後、我が軍とLEGEND血盟は同盟を組んだ。
まぁ戦いの中で芽生えた友情といったところだ。
詳細などはあまり決めず、勢いと感情で結んだに等しい。
我が軍としては来る『攻城戦』のために、共に一緒の方向を向いて戦える同盟血盟が欲しかったのもある。
このLEGEND血盟との同盟は終戦後、すぐに締結されることとなった。
しかし、その後何度かやり取りはあったものの、我が目にも余るくらい、徐々に様子がおかしくなってきた。
まず、相手血盟主に連絡しても全く反応がなくなったのだ。
我はあまり日常会話などは自ら話を振ったりはしないが、ある要塞戦の入札の際、LEGEND血盟が我が軍の入札に被せてくることがあった。
別に同盟だから被せるな!という器の小さい話では決してない。
我は気軽にLEGEND血盟の盟主に「そちらもここの要塞を狙っているのか?」と囁きを送った。
しかし、その囁きに対しては一切返信なし、結局要塞は我が軍が入札で落としたものの、その後連絡しても全く反応はなかった。
個人間の話であれば別に無視しても問題はないと思うのだが、やはり血盟と血盟の話だ。
会話の一方通行では協力もままならぬ。
そして迎えた『最強血盟決定戦』、ケンラウヘルサーバーの代表となるべく、Emulatros血盟への移籍が開始される。
※結果としてLEGEND血盟からは1名だけ移籍しただけだったが。
最強血盟決定戦で我がサーバーは惜しくも1回戦敗退、その後ケンラウヘルサーバーの上位血盟陣では血盟員の離脱やジョイン、血盟の解体などが激しく行われていた。
その中で、LEGEND血盟の盟主はひっそりと引退していた。
いや、実際に引退したかどうかも分からぬ、そもそもブログで書いた戦い以降、ほとんど話してもいないのだから。
当然我が軍としては協力はできぬ故、LEGEND血盟との同盟はただの張りぼてと化していた。
そんな事も頭からすっぽ抜け、12月14日の木曜日がやってきた。
流石に年末の忙しい時期だ。
要塞戦に時間を割ける人員は限られていた。
HN要塞を確保していた我が軍はその週は防衛に徹する事にしていた。
そして我のTwitterに一件のメッセージが来た。
いつもリネレボ内、Twitter内でも仲良くしてくれている友人からだ。
「LEGEND血盟の人が反王に相談があるらしい」
LEGEND血盟の盟主が何週間かINしなくなった後、はっきり言うとその存在すらもあまり意識の中になかった。
久々に血盟ランキングでLEGEND血盟を覗いてみることにした。
が、様子がおかしい。
今までは当たり前のように血盟戦闘力ランキング1桁にいたLEGEND血盟が見当たらない、むしろ1ページ目にいないのだ。
存在する血盟員が20名程度になってしまっている。
最強血盟決定戦後、血盟員の引き抜き合戦が行われている事は我は知っていたが、完全にその余波を受けてしまったのだろうか。
我は連絡のあったLEGEND血盟の者と初めてコンタクトした。
話を要約するとこうだ。
※この内容は名誉のためあえて名前は出さぬし、多少脚色して第三者が見て分かる以外の事実はあえてぼやかす。
最強決定戦以降、血盟主の引退や様々な事情により血盟員数は半減。
現在R要塞を所持しているが、この人数と戦闘力では確実に攻め落とされる。
これでまでLEGEND血盟が力を合わせて守り抜いてきたR要塞を奪われるのであれば、せめて最後は同盟である反王親衛隊に渡したい。
こういう話だ。
それは理解できた。
だが、そんな事よりも非常に気になったのは連絡をくれた彼等、そして現在のLEGEND血盟のメンバーたちの行く末だ。
こういったタイミングでの引退は珍しくない。
この言葉を聞けて安堵した。
LEGEND血盟はまだ死んではいないのだ。
守り抜いてきたR要塞、陥落するのであればせめて最後はと、我が軍に介錯して欲しいと申し出てきたのだ。
こういう筋の通った人間は我は好きだ。
せめてもう少し前にこういう話が彼と出来ていれば現状も変わっていたのかもしれぬが、過去を振り返っても仕方あるまい。
今回の話は「筋(すじ)」についてだ。
例えゲームとはいえ、こういう筋はまかりなりにも重要であると我は考える。
こういうタイミングこそ筋違いを起こす可能性が高い。
こういう所で変な歪を起こさぬよう、我の結論に至るまでの頭の中を書き記す。
参考までにして欲しい。
ケンラウヘルサーバーではR要塞はほぼほぼ上位の固定血盟が維持をし続けている状態だ。
それを渡してくれるというのは有難い話ではある。
血盟としても「R要塞持ち」という偉業を達成することができるのだから。
しかし、ここで脊髄反射で尻尾を振って飛びつくのは愚か者のすることだ。
この話によってこじれそうな話を即座に頭の中でまとめる。
筋を考えるのが重要なのだ。
ひとつ。
明らかに弱っている相手に挑み、悲願であるR要塞獲得を達成して楽しいのか。むしろ談合と言われてもおかしくないのではなかろうか。今まで1つ1つを泥沼の闘いの中もぎ取ってきた我らに相応しい要塞戦なのだろうか。
しかも今回の要塞戦は人数の集まりが良くない事は明白。
防衛に徹すると言った手前、血盟員たちを振り回すことになる。
ただ、明確なメリットとしてはR要塞でしか購入できぬ「マーブルの加護」「祝福スクロール」を数が少ないなれど購入することができる事だ。
ちなみに我が軍では、我から話を持っていく際は必ず我の考えをはっきり示す。
それがいいかどうかではなく、「盟主がどう思っているのか」は皆に伝える必要があるのだ。
そこから議論となればいい。
そして最終的に決めるのは我だ。
いい意見があれば採用、いい意見だが後日でいいと思うものに関してはその旨を伝える。
何ら悩む必要はない。
我としては「同盟として筋を通してきた彼らの思いを受け入れる」という選択肢しかなかった。
そして重要な点がもうひとつある。
同盟破棄だ。
先述のように、我は同盟を共に攻城戦を戦い抜けるような協力関係にある仲間と定義しているが、LEGEND血盟はその協力関係が保てそうになかった。
当然この連絡してきた彼が悪いとは微塵も思っていない。
同盟破棄の理由は3つだ。
①信用して同盟を組んだのは血盟ではなく過去の血盟主がいたからこそ。
②色々な動きがあったにも関わらず共有がされなかったこと。
③故に攻城戦を共に戦えぬと判断したこと。
今回の同盟破棄はR要塞獲得よりも優先度が我が軍では非常に高い。
これを見ている者の中には「別にわざわざいいじゃん、面倒くさい」と思う者もいるかもしれぬ。
しかし、相手がどう考えているのかは聞きださねば分からぬのだ。
社会と同じく、憶測で勝手に判断することで捻じれることなど容易に発生するのだ。
もし相手がこれを機に同盟関係を強力にしていきたいと思っていたらどうだろうか?
我が軍としては同盟破棄は確定事項だ。
R要塞を譲ってもらった上で同盟破棄、用が済んだら手を切る。
何と器の小さい行動だろうかと想像するだけで吐き気がする。
故に、筋はしっかりと通さねばならぬ。
我はしっかりと考えを伝えた。
即座に返信が返ってくる。
この文は我の心に響いた。
『絶対に競り負けないで』
人が減っても尚、自分の血盟に誇りを持っているのだ。
どこが攻めてきてもR要塞を守り抜くことは難しい、我が軍が占領するのも他血盟が占領するのも、守り抜いてきた要塞を手放すという結果は同じだ。
にも関わらず、こういった一本筋の通った事を言われては、我もそれに応えるというのが「筋」なのだ。
我は即座に血盟員全員に共有と指示を行った。
LEGEND血盟からの申し入れ、そして同盟破棄について。
我が軍には熱い者が多い。
要塞戦は勝ち負けよりも熱い戦いあってこそという幹部ですら、我の考えを即座に悟ってくれた。
そして最後に付け加える。
ケンラウヘル:
…以上が状況の共有だ。
そして最後に総員伝達、土曜日は多忙の時期故、無理して来なくていいと言ったが、本当に無理な奴以外は何とかして参加してくれ。
また、明日の落札は我が軍全てのアデナを使ってでも落とし、
宿敵LEGEND血盟のR要塞を、反王親衛隊の全力を以て完膚なきまでに叩き潰す。
我が軍の所持していた要塞を破棄し、入札開始と同時に10MをLEGEND血盟の要塞へ入れる。
入札は激戦になるかと思いきや、最初から入札意欲剥き出しであったが故か、他血盟からの入札は一切なかった。
要塞戦直前、我が軍は多忙故いつもより人は集まらなかったが、何とか6パーティ強を作ることができた。
それに対し、LEGEND血盟は10名。
たった10名で本気で挑んでくるのだ。
過去の戦いでボロボロにされた相手、こんな結果になるとは思いもしなかったが、これも宿命か。
血盟強化効果、晩餐、全て他の要塞戦と寸分変わらず用意した。
これだ、これがLEGEND血盟だ。
どんな時でも牙剥き出しのこの感じ。
この血盟と戦って我が軍は成長したのだ。
相手はどんな状況でも「勝ち」を本気で捥ぎ取りにきた。
少ない人数ながら、我が軍の隙間を縫って一本でも防衛塔を折ろうとしてきた。
だが我が軍としても全力だ。
この戦いは例え防衛塔1本、祭壇1個たりとも落とさせないと決めていた。
敵北門を完全に封鎖し、南の門も別働部隊で突破する。
そしてとうとう、LEGEND血盟の守ってきた要塞は
我が軍の手によって陥落したのである。
それはそうだ。
『全力にて打ち倒す』、同盟として最後に約束したのだから。
何て熱い奴らだろうか。
是非こういう輩にはうちで活躍して欲しい、こういう輩が欲しいとは思ったものの、彼はこのLEGEND血盟で再起すると決めたのだ。
過去のLEGEND血盟は死に、ここから新たなLEGEND血盟の誕生なのだ。
ここで彼らは終わりではない。
将来、彼らと対峙するのか、協力するのか、どうなるかは分からぬ。
一度名を馳せた血盟故の苦悩は我の想像を遥かに超えるであろう。
しかし、いつ何時も我が軍からはこの言葉を送る。
またいつか、時に共に手を取り合い、時に殺したり殺されたりしよう。
泥沼戦争から要塞戦まで、今思い返しても胸が熱くなる話であった。
現在、LEGEND血盟は活動を続け、立て直しをしている最中だ。
また彼らと切磋琢磨する日々が来るだろう。
どうしてもこれは書かねば2017年を締めくくれなかった故に、急ぎ足だったが書かせてもらった。
では総員、よい年を。
以上。