総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。
前回は書いててカオスに陥り、起承転結も何もなかった故、今回は真面目に書く。
今回のブログでは我が体験してきた血盟員の扱いについて語ろうと思う。
日頃から苦労の絶えぬ血盟主には参考までだが是非伝えたい。
リネレボはオンラインMMORPGだ。
様々な環境で育った様々な者たちが集まる場所だ。
そんな環境はリアルで体験したことのないような新しい世界を創り出す。
偶然同じサーバーを選択し、偶然血盟という囲いに入った者たちと毎日のように話す。
時に要塞戦の作戦を練ったり、時にレイドボスを撃破して歓喜したり。
時には敵対血盟と血みどろの戦争をしたり、言い争ったり。
様々な出来事が待ち受けているだろう。
その中でも全血盟主が一番身近で、一番信用できて、一番血盟にとって危険の高い存在がある。
それは自分の血盟員に他ならない。
自分がいくらしっかり他血盟と連携をし、外交をしようとも、ふとした切っ掛けで血盟を巻き込む戦争に至ることすらある。
いや、”ことすらある”というより、”絶対にある”と言っても過言ではない。
その切っ掛けというのも、「〇〇が獲物を横取りした」「〇〇が先に斬ってきた」という分かりやすいものから、「チャットで〇〇と言われたから」「盟主がワールドチャットでうざいから」等、ただの文字から殺し合いに発展することもある。
何なら気に食わないが故に嘘偽りを語って大義名分を作り、周りを巻き込んで戦争に持ち込む方法だってある。
まぁこれらはとにかく自分の血盟方針を血盟員たちに徹底させなければならぬ。
我が軍では表には出ない裏の掟も存在する。
特に外交などに至っては各個人が争わぬよう徹底し、もしそれを破れば我は躊躇なく追放する気構えだ。
こういう問題が起きた時こそ、しっかりと盟主並びに幹部連中がしっかりせねばならぬと考えている。
しかし、そういった揉め事は大方針はどの血盟も同じ故、さほど舵切りに問題はないだろう。
最終的には”自分の血盟を守る”という大筋が決まっているのだから。
まぁどう守るのか、守るのは血盟員なのか、果たして血盟としての利益なのか、そういった枝葉の部分で迷うことはあるだろうが。
幸いリネレボではデスペナルティが存在しない故、そこらへんはかなり楽だ。
今回話すのはそういった問題を起こさぬようにどうするか、という話ではない。
もっと内面的で陰湿な、人間らしい部分。
いわゆる血盟内の血盟員同士で起こる摩擦について話そう。
どの血盟にも「ちょっと癇に障る奴」というのはいるであろう。
超大まかに、ざっくり我なりに分類してみた。
■上から目線系血盟員
ex) 自慢話ばかり、自分の話ばかり、命令ばかり、自分は悪くない、
無駄に攻撃的発言が多く、多々血盟員を不快にする、
あんだけ命令しておいてうまくいかないと、以前言ってた事と矛盾したことを
平然と語っちゃうような奴等
■空気読めない系血盟員
ex) チャットばかり、本気の時に茶化した行動に出る、構ってちゃん、
発言するたびに他血盟員のカチンとくる所にやたら直撃させる等
■沈黙系並びに非協力的血盟員
ex) そもそも喋らない、いるかどうかわからない、
でも血盟ダンジョンとかはこそっと後ろからついてきて何かそれもムカツク等
■ネガティブ系血盟員
ex) 自分の思うようにいかないとすぐにネガネガ、強化失敗したらクソゲー、
トレハンイベントをニート優遇かよ死ねよ運営とか言う奴、
例を挙げたらキリがないがとにかく否定ばかりで愚痴愚痴としつこい奴等
※他にも色々あるが「褒章の着服」とか「姫プレイして貢がせてる」とか「リアルでやたら出会いを求める奴」とか「人の言うことを否定ばかりする」とか「サブキャラだから別にどうでもいい」とかそういうゲームとかじゃなくて人としてどうなのみたいなのは、問題児というかそれ以前に問題外なので即追放した方がいい。
ざっくりとこんな所だろうか。
リネレボに対する温度差とかでの摩擦もあるか。
分類も複合的に混ざる場合もある。
まぁ我の所感だ、あまりこの分類が重要なわけではない。
ではまず追放するのはどれか。
それは全分類でわざと他血盟員を困らせようとしている意図がある者だ。
こいつ気にくわないから否定ばかりしてやろう、上から目線で無理難題を命令してやろう、要塞戦わざと負けるためにチャットばかりしてやろう、皆PT募集してるけど困らせるためにわざといないふりをしよう、血盟の空気を悪くするためわざとネガティブ発言をしてやろう。
こんな奴らは有無を言わさず追放だ。
そしてこれを見て、盟主ならばすぐ次の意見に辿り着くと思う。
わざと血盟員を困らせようとしている奴なんてまずまずいない。
即ち悪気があってやっているわけではないのだ。
故に質が悪く、悩みどころなのである。
本人に直接注意して改善を求めるのも当然ありだ。
むしろそうするべきだろう。
ただ、なかなかそれに踏み出せなかったり、それによって弊害を巻き起こす可能性もある。
まぁそれは話し合いすればいいし、指摘すればいい。
結構すんなり聞くパターンもある。
我がいつも考えるのは正直問題児自体の話ではない。
その周りを取り巻く血盟員たち、そしてその血盟員の陰口だ。
一番面倒なのは不満や改善点を直接本人にぶつけないパターン。
盟主はこんな囁きが来たりしたことはないだろうか。
「〇〇が”むかつくんだけど”」
「あいつが抜けなければ”血盟抜けるわ”」
理由を聞くと大抵、いや、100%対象の問題児が悪いという一方的な報告が来る。
まぁしっかり理由があった場合は注意すればいいのだが、感情論や生理的に拒否反応が出てしまうと改善は困難を極める。
相まって陰口が広まり、その問題児がいる時点で嫌な気分になったり、逆にいなかったらいなかったで陰口ばかり。
本当に下らん時間を過ごすこととなる。
ここから話すのは我の経験則から基づくテクニックだ。
当然このパターンに全て当てはまるわけではないという事を了承して欲しい。
我が昔リネージュ1をしていた頃はただのガヤ血盟であった。
皆でわいわい楽しく狩りをして、レアドロップが出ただのどうだの、本当の意味でチャットツール化していた。
外交も盛んであった。
ガチ戦争勢から出来立ての血盟に至るまで、幅広く交流していた。
ある日、当時仲の良かった他血盟の盟主から相談が来た。
「一人血盟員を受け入れてくれないか」
そう、これが大問題児だったのだ。
キャラクターのレベルも高く、うちとしては戦力増加間違いなしの人材であった。
それとは裏腹に周りからの評価はほぼ最悪に等しいものであった。
当時の戦力として、最高の狩場である『傲慢の塔』のボス狩りをするには人手が不足していた。
うちに入って是非美味しい思いをしたい、そういった背景もあり、彼を血盟に受け入れたのだ。
しかしまぁこれが面倒なことになった。
いや、今思えば当たり前なのだが…
そいつの属性は「自慢厨」「空気読めない厨」「否定厨」である。
当時のレアアイテムとして、【古代のスクロール】という高額レアアイテムがあった。
これは【忘れられた島(Forgotten Island)】という強い敵が蠢く島で一番のレアアイテム。
価格として20Mという値がついていた。
当時のチームに弱くとも、ずっと頑張っている血盟員がいて、何度も死にながら数か月かかってようやく手に入れたと報告が上がった。
「おー!凄い!」
「よかったじゃん!」
「みんなありがとー!これでようやく強くなれるよ!」
そういった空気の中、その問題児、そうだな、「K」君と仮名をつけよう。
Kの言葉に血盟の空気がどんよりと曇る。
K:「古代スク、先月5枚出たわ」
おめでとうも何もなく、聞いてもいない話を被せてくる。
これ以外にも上から目線乱発だ。
「〇〇ってアイテム買いたいけどアデナ足りないなー」
K:「俺所持金100Mしかねぇわ、まじ少なくて足りねぇわ」
※リネレボで100Mあることを想像してくれればいい。
その大金をもってして「っかー少なすぎ、っかー!」と言っている。
「ようやく素材が〇個貯まったー!」
K:「それ倉庫で1000個以上あってマジいらないわ」
「あのボスつえ~」
「だなー」
K:「+10ダークネスデュアルブレードとMR装備持ってるから俺ソロでいける」
まぁこれだけだと伝わりにくいが、とにかくウザいこと事上ない。
ここである症状が我が軍を蝕んだ。
陰口である。
他の血盟員たちも血盟自体の空気を悪くしたくはないのだ。
悪くしたくないというか、そういうのを回避したいのであろう。
とにかく彼には直接言わずして、仲の良い組やら我に対して囁きを送ってくるのだ。
「あいつマジうざいんだけど」
「何であんな奴入れたの?」
「あいついるから血盟抜けるよ」
そんな囁きが我に毎日のように入ってくるのだ。
彼のプライドを傷つけぬよう、我も問題児には言うが、あまり効果がない。
血盟の空気は彼がいるだけで益々重いものになっていった。
何と陰湿な空気、ログインするのも面倒だと思う程嫌になる。
今だから分かるが、自慢がうんたらとかではない。
直接自分の気持ちを伝えずに愚痴愚痴と裏で陰鬱な空気を作る、一番の敵は陰口なのだ。
そんなので悩んでいてから3日間くらいだろうか。
K:「またB-DAI(祝福された武器強化スクロール)出たわ、今日3枚目」
もうこいつの自慢話は慣れていたはずなのに、あまりのうざさに我慢ができなくなった我。
血盟チャットに反射的に書き込んでしまった。
我:「UZEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
我もこのような口調、若き日故の過ちといったところか。
ともかく、血盟チャットで初めて彼の事を罵る自体となった。
しかし、これが結果として功を奏した。
次々に我が血盟員たちが我と同じ言葉をコピペして騒ぎ始めたのだ。
本気で罵倒している感じではなく、何となく祭りのような、そんな乱痴気騒ぎだ。
Kも「ええええええwww」みたいな感じになり、意外と嫌じゃない空気を醸し出している。
彼はその日から「ウザキャラ」としていじられ始めたのだ。
ただログインした瞬間ですら、
K:「こんにちはー」
我:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員A:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員B:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員C:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
K:「入っただけやろ!なんでやねん!wwww」
こんな感じになる。
K:「今日死んじゃって経験値下がったわ…」
我:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員A:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員B:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
血盟員C:「UZEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!」
K:「凹んでる時くらい労われや!wwwww」
みたいな流れが毎日のように続いた。
空前の「UZEEEEブーム」が到来した。
するとどうだろう。
KがINする度に皆テンションが上がるようになった。
早くUZEEEEEを皆で言いたい、ただその一心。
Kもそれを楽しみながらツッコミを入れるようになった。
そもそもKはかなりの高レベル組であり、色々と知識がある。
ある時、ダンジョンの攻略について話していたら、Kは攻略法を皆に伝え始めた。
その時は皆しっかり聞いていた、むしろKに対して「こういう時はどうするのか」「ヒーラーはどこに位置すれば一番なのか」という質問も飛び交うようになったのだ。
皆、ウザキャラだけれどもそういう所は買っていたのだ。
いつしかして、延々と血盟を追われて転々としていたKも、我が軍では人気者となり、最終的には我が軍を引っ張るガーディアン(リネレボで言う親衛隊長のようなもの)となったのだ。
このパターンはそのあとに沢山我が軍にも来た数多くの問題児、K以外でも通用するパターンが多かった。
話が長くなったのでまとめる。
①血盟の空気を重くする問題血盟員自体にも問題はあれど、それ以上の敵は他血盟員たちの陰口。
②キャラ付けをすることで、イラつくことさえ楽しく感じる。
もし血盟員の中にこのような者がいて悩んでいる血盟は、是非実践してみて欲しい。
ただし、「対象の血盟員も楽しめるようなキャラ付けでなければいけない」「そもそもルールを反故にしたり攻撃的な奴は追放した方がいい」という事も忘れることなきよう。
さてここからが本題だ。
先程は「問題児」について話したが、問題児ではないのだが全く喋らない血盟員、コミュニケーションが苦手な血盟員についても話そう。
我が軍にブレダン四天王というものがあると以前紹介したことがあると思う。
当然、ブレダン以外にもそのような組織が存在する。
我が軍には要塞戦で主力となっているウォーロードが3名いる。
そう、ウォーロード三兄弟である。
何を隠そうこのウォーロード三兄弟の次男・三男は他サーバーからの移籍組だ。
ちなみに我が軍では、他サーバーからの移籍組の事を外国人助っ人という通称で呼んでいる。
嬉しい事に、我が軍にはほぼ毎日のように他サーバーから来た上で「血盟に入れて欲しい」と連絡してきた中でも、異質なくらい熱意を伝えてきた2名だ。
では早速だが紹介したいと思う。
ウォーロード三兄弟が三男、反王親衛隊の”一番槍”、ジークフリート
色々な経緯があって我が軍にやってきた。
最初彼は過去を隠して我が軍に入隊しようとした。
『所属していた血盟で色々あった、リネレボがつまらない、是非反王親衛隊に入ってリネレボを楽しみたい』
しかし我としては、 当然どこの馬の骨かもわからぬ、また入ってチャットだけして放置する輩か、そう思って一度門前払いにしたのだ。
過去の事も話さずに我の軍に一方的に入りたい、では我はお前の何を信用すればいいのか、我がお前を入れるメリットは何だと詰めた。
すると…Twitterで我が良く知る人物であったことが判明した。
我は彼のTwitterを見返し、全てを察した。
彼の他サーバーの戦闘力は当時としてはかなり高い部類に入る。
しかし、せっかく熱を持ってプレイしていたのに、本当にくだらない事でせっかくの楽しさが台無しになっていく様、萎えていく様が書かれていた。
我はそれ以上は聞かず、彼を我が軍に招き入れた。
これがとんだ化け物だった。
恐るべきスピードで戦闘力がグングン上がり、1か月するかしないかでとうとう戦闘力60万を余裕で越えてしまった。
また、彼の過去の経験から、要塞戦や戦闘についての指南役としても我が軍に有益な情報をもたらしてくれた。
最初こそ物静かな、冷静沈着なキャラではあったが、今ではウィットに飛んだジョークというか一発芸というか、実力を備えたお笑い班として我が軍の空気を常に明るくしてくれている。
あえて彼の弱点を挙げるとするならば、我に対する忠誠が常軌を逸して高過ぎる故、時に過激派と化すところか。
反王様にお仕えするには生半可な気持ち、覚悟では務まらぬのである
— ジークフリート@ケンラウヘルL2R (@siegfried_l2r) 2017年12月7日
希望されている方は覚悟を決めてから我が主君に囁かれよ https://t.co/eUl4MqVsoH
たまに我の知らない所で暴徒と化すのをコントロールするのが大変である。
今では完全なる主力とし、ウォーロード三兄弟の末っ子として頼もしい存在になっている。
そして次紹介するのは
ウォーロード三兄弟が次男、反王親衛隊の”魔神転生”、ウルス★
何を隠そう、彼は正式に他サーバーから反王親衛隊への正式入隊を許可した第一号だ。
彼からの囁きは常軌を逸した熱意と長さであった。
過去の自分のサーバー、キャラクター名、戦闘力、どんな血盟でどのような事があったか。
そして何故そのキャラクターを捨ててまでこちらに本気で移籍を考えたのか。
別サーバーのキャラクターもわざわざ見させてもらった。
そのサーバーでは戦闘力上位中の上位。
彼もまたリネレボが嫌になった人間の一人だ。
しかし、我のブログを見て是非入りたいと志願してきたのだ。
仮入隊期間は1か月とし、その時の戦闘力で正式入隊とする予定であった。
それを了承したウルス。
3日目にして背景装備を数か所揃え、戦闘力も著しい上がり方をしていた。
1週間しないうちに、我が軍全員が戦力になると確信していたのだ。
3週間程が過ぎた頃だろうか。
戦闘力も申し分なく、普通に我が軍の前線で戦えるような戦闘力になっていたのだ。
むしろ我が軍の戦闘力上位陣に入っていた。
普通に我が軍の前線を任せていたため、我も試用期間というのも忘れてしまっていた。
ケンラウヘル:物凄い戦闘力の伸び方だな。
ウルス:いえ、まだまだです。
なんと謙虚な男だ。
ちなみに我が軍は課金は強要はしていない、まずは楽しむことが第一条件なのだ。
無理はしてはいけない。
ウルス:オプションもまだまだですから。
ケンラウヘル:ほう、オプションにももう手を出しているのか。
ウルス:勿論です、今日赤ダイヤ6,000個割ってもうまくいかなくて。
ケンラウヘル:・・・は?
それを言われた瞬間に、彼に最初命じた言葉を思い出す。
「1か月後、戦闘力の伸びによっては追放もありえる」と言ったことを。
ウルス:いえ、だって、来週ですよね、正式に入れるかどうか決まるのですよね?
絶対にクリアできるよう、今からダイヤを買ってk
ケンラウヘル:合格。
ウルス:へ?
ケンラウヘル:おめでとう。君は今から正式に反王親衛隊のメンバーだ。だから課金は無理しなくていい、そんなことより楽しめ。
危うくもっと無理させるところであった。
しかし末恐ろしい奴が入ってきた、というか、こいつも我が軍からすると化け物であることは明白であった。
外国人助っ人第一号、第二号共にとんでもない輩が来てくれた、嬉しくもあり、恐ろしくもあった。
さて、我が軍の外国人助っ人2名について紹介させてもらった。
何故紹介したか。
話を戻そう。
先述した通り、【問題児ではないのだが全く喋らない血盟員、コミュニケーションが苦手な血盟員について】というお題目だ。
今回の主役は彼だ。
反王親衛隊初期メンバー、ウォーロード三兄弟長男のまーもである。
彼はとにかく寡黙であった。
あまりにも寡黙過ぎているかいないのか分からず、反王親衛隊始まってすぐの時点で我からBAN宣告をしたこともあったくらいだ。
今思えば本当に残ってくれていて感謝以外の言葉が出ない。
他の者とは違い、寡黙故にキャラ付けがしにくい。
ふっても真面目な答えだ。
かといって冷めているかと思いきや、要塞戦で陣形が不利になって下がる際は仲間を逃がすため、最期までその槍を敵陣内で振るい続ける熱い男なのだ。
勿論反王親衛隊に彼は必要である、しかし、我や幹部からすると、本当に彼は楽しんでいるのかが不明であった。
決して輪に入っていないわけではない、だが中心になることはない。
そして彼の唯一のアイデンティティ、「我が軍唯一無二のウォーロード」という立ち位置が、突如乱入してきた外国人助っ人たちにその縄張りを強奪されつつある。
ウルスとジークはかなりチャットを盛んにする。
ウォーロードの立ち位置、そしてコミュニティの輪に入り切れない、いつの間にかまーもは目に見えて端に追いやられていった。
しかし現在、彼は我が軍で完璧なアイデンティティ、そして不動の立ち位置を手に入れる。
毎日のように皆から話され、彼自身も楽しさが溢れ出ている。
思った以上に話が長くなってしまった故、次の話は『寡黙で輪に入らない者がどうのようにしてコミュニティの中心になったのか』を書こうと思う。
彼を訳分からなくしたキャラクター付けたのは、たった1枚のイラストであった。
次話後編、乞うご期待。
以上。