反王だもの。

MMOを中心としたゲーマー、反王ケンラウヘルの手記。

親衛隊と新鋭隊の要塞戦 その3

 

総員、我が名はケンラウヘル。すなわち反王である。

 

今回は前回の続き。

 

というか、既にこの題名でなくてもいいのでは?と思う今日この頃。

 

ATMコーナーでの葛藤

駅の近く、大きな道路に面したATMコーナーに我はいた。

そもそもここでやる事自体が非常識極まりないのはわかっているのだが、もう要塞戦は目の前、オフに来ていないメンバーのやる気を削ぐような事は我にはできなかった。

 

ケンラウヘル「ここ(ATMコーナー)をキャンプ地とする」

 

ざわつく乙軍メンバー。

 

ちなみに、我はリネレボを始めて丸1年。

ストリートリネラーとして着実に修行を積み重ねてきた。

 

告白しよう、この1年で計9回職務質問を受けている。

そしてその内2回は本気で補導されかけた。

この歳になって屋外でゲームをしていて補導されるという不名誉を貰う訳にはいかなかったのだが、何とか難を逃れてきた。

だが今回は通報されたらより言い訳がしにくいのは明白だった。

 

幸運な事に人はほぼいないと言っても過言ではない。

カードローン無人機を利用する人は勿論いなかったが、ATM6台あってもほぼ空いている状態。

たまに人が入ってきてATMを利用しているくらいだ。

 

ケンラウヘル「音は…環境音は大丈夫か?」

 

乙軍のメンバーに問う。

 

KK「さっきと比べたら全然環境音気になりません、車の音も聞こえないし」

 

おかゆ「さっきよりは全然いいです!声もクリアですし。ですが…」

 

ケンラウヘル「何だ?何か問題あるか?」

 

おかゆ「えっとですね、さっきから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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おかゆ「めちゃくちゃATMの“ピッピ”音が凄いっス」

 

誤算であった。

先程までの車の轟音で慣れてしまったのか、ATMから発する機械音については気付かなかったのだ。

 

ケンラウヘル「これは…指揮に支障は出るだろうか?」

 

おかゆ「いや、大丈夫だと思います」

 

KK「たまに聞こえますが何とか」

 

ケンラウヘル「よし、分かった。では皆、最終チェックだ。SSオン、高級ポーションの設定、スキルは対人用

にn

 

ATM「カードを、入れてください」

 

ケンラウヘル「・・・」

 

ケンラウヘル「血盟強化効果、晩餐、そしてバフアイテm

 

ATM「現金を、お取りください」

 

ケンラウヘル「・・・」

 

ケンラウヘル「PT確認、第0はどうだ」

 

揚げ玉「揃ってます」

 

ケンラウヘル「第1」

 

おかゆ「ばっちりです」

 

ケンラウヘル「第3」

 

カンロ飴「揃ってまーす」

 

ケンラウヘル「第y

 

ATM「最初から、やり直してください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ATMに殺意が湧く我。

※どっからどう見ても筋違い甚だしい。

 

様々な楽しみ方

結論から言うと、まさかの大接戦であった。

キル負けしつつも刻印秒数を重ねていく乙軍、圧倒的な火力で死体の山を作り上げる甲軍。

VCも今までにない以上熱意のこもった内容であった。

ラスト3分までもつれ込み、最後の最後で刻印を決められるまでがあっという間であった。

 

乙軍、そして甲軍からも「今までで一番楽しかった」「要塞戦こんな面白いことなかった」という声も聞けた。

 

ケンラウヘル「惜しかったー!でも楽しかったな!」

おかゆ「そうですね!めっちゃおもろかったっす!」

KK「身内だけの要塞戦っていうのも最高ですねこれ!」

 

二血盟運用として、一つの形が出来上がった事に大満足した、そんな日であった。

サーバー統合が決定した時、あの5月に決断しなければ味わえなかったこの体験。

 

与えられた環境に文句を言ってプレイするばかりではなく、どうやったらゲームを面白くプレイできるかというのを追求していった結果。

楽しくなければリネじゃない。

この方向性は間違っていなかった。

アップデートやメンテナンス、度重なる不具合で萎えて辞めてしまう者もいる。

でも我が軍はその流れとは逆で、まだまだ様々な遊び方ができると確信している。

LRTが近いが、それだけで終わる気は更々ない。

来たる三次職、自由要塞戦に変わる血盟要塞戦、そして何より様々な人との物語が我を待っていると思うと、それだけでワクワクしてくる。

 

とにもかくにも、大満足な1日であった。

 

 

 

 

 

今日の現実

と、感傷に浸ったのも一瞬の出来事だったわけで。

感想を言い合いながらふと我に帰る。

というか、後ろを振り返ると、そこには

 

 

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先程までいた個室があるわけで。

 

要塞戦中、皆には黙っていたが、やってる最中は気が気じゃなかった。

いつ通報されてもおかしくない。

というかなんなら

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常時監視されているわけで。

その感情を押し殺し、熱戦を繰り広げていたわけだ。

 

ダイヤも5000個近く割った。

我は常に頭の中で色々な事がブログネタに変換される、いわばブロガー症候群とでも言おうか。

皆が必死に戦っている最中、ガンガン死んでもダイヤ復活している最中に、

 

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「赤ダイヤが尽きたら即座にキャッシングする」

 

とかいうネタが思い付いたりしていたが、真面目に戦っている皆の前では口が裂けて言えなかった。

 

しかし、我がこの中で戦っている最中、ATMコーナーにもし第三者が入ってきたらどう感じたのだろうか。

我が何も知らずに、現金をおろすためにATMコーナーに入ってこんな場面に遭遇したら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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間違いなく通報する。

 

絶対に真似はせぬよう。

次は静かな所でプレイすることにする。

 

以上。

 

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